特別研究会「サウンドスケープ・デザインと地域の歴史・文化」

日本音響学会 騒音・振動研究委員会との共催で下記の研究会を開催します。オンラインでの実施です。ご希望の方は下記URLの申込フォームからお申し込みをお願いいたします。

日時:2021年3月26日(金)13:00〜18:00
場所:オンライン開催(Zoom)
主催:日本音響学会騒音・振動研究委員会、日本サウンドスケープ協会

参加費:無料,資料代:無料。
なお,資料は,セキュリティ設定されたPDFファイルとなります。
参加 (聴講) 申込みURL:https://forms.gle/LDGwtwHNrWGXouM79
締切:3月23日(火)。

プログラム(質疑込み1件40分)

1.スマートフォンによる3次元ノイズマッピングのための基礎的技術の検討
 〇大嶋拓也,沼田賢樹,黒坂優美 (新潟大)

2.誰かに聞かせたい“いわて”の音風景 -webによるアンケート調査からの報告-
 〇船場ひさお(こどものための音環境デザイン)

3.ミュージックサイレンに住民は何を聞いたか〜浜松市における質問紙調査の分析
 〇兼古勝史(放送大),箕浦一哉(山梨県大),土田義郎(金沢工大)

4.日本橋川及び神田川のサウンドマッピングに向けた基礎的考察
 〇鷲野宏(都市楽師プロジェクト)

5.浜辺の音環境を考える――遠州灘における住民の語りと歴史を手がかりに
 〇大門信也(関西大)

6.サウンドスケープ概念からみた音環境政策の論点
 〇箕浦一哉(山梨県大)


2020年度 秋季研究発表会 開催概要および発表募集要項

日本サウンドスケープ協会2020年度秋季研究発表会は、
春季に引き続きオンラインで実施します。
講演論文集はPDFファイルにて配信し、
当日はオンライン会議システムZoomを利用して発表・討論を行います。
概要は以下の通りです。

・開催日時:2020年11月29日(日)13:00~17:00(予定、発表件数により決定します)
・開催形式:オンライン(Zoom)
・発表申込期限:2020年10月25日(日)
・原稿提出期限:2020年11月22日(日)

以下のURLに専用ウェブサイトを開設いたしました。
https://sites.google.com/view/saj20201129/
発表および参加を希望される方は内容をご確認の上お申し込みください。

6月に開催した春季研究発表会は初めてのオンライン形式での開催でしたが、
好評のうちに終えることができ、新しい可能性を感じることができました。
今回も多くの会員のみなさまのご発表・ご参加をお待ちしております。

2020年度春季研究発表会概要

2020年度春季研究発表会は、新型コロナウィルスの影響を考慮して、オンラインで実施します。講演論文集はPDFファイルにて配信し、当日はオンライン会議システムZoomを利用して発表・討論を行います。

・開催日時:2020年6月20日(土)13:00~16:40(予定)
・開催形式:オンライン(Zoom)
・発表申込期限:2020年5月17日(日)※ショートトークのみ5/31まで延長
・原稿提出期限:2020年6月7日(日)
・参加費:無料

◇プログラム

13:00 開会
13:10 一般報告(発表20分+質疑15分+予備5分)
第1報告|兼古 勝史・箕浦 一哉・土田 義郎
     日常風景としてのサイン音
     ―浜松市のミュージックサイレンに対する住民意識―
第2報告|石橋 幹己
     戦前の東京におけるサウンドスケープ・デザイン
     ―都市美協会の騒音問題に対する取り組み―
第3報告|坂東 晴妃
     自然環境モデルを用いたサウンドスケープの美的評価
総合討論
15:40 休憩
15:55 ショートトーク(発表5分)
第1報告|宮本 一行/比叡山中にて実施したサウンド・パフォーマンスの紹介
第2報告|田中 直子/サウンドスケープ・ワークショップの意義と課題
第3報告|柳沢英輔/『ベトナムの大地にゴングが響く』の紹介
質疑応答
16:40 閉会

◇参加申込(6/17締切)
オンライン会議システムZoomを利用して開催します。
参加のためのURLはお申し込みいただいた方にお知らせします。
下記のフォームから6月17日(水)までにお申し込みください。

参加申込フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScEo_7aNWLqPGO-bxRn93C0Y_1ZMa8Q1CJrX-t5_NFQ6JPm7g/viewform?usp=sf_link

研究発表会を録画したアーカイブを限定公開する予定です。
リアルタイムで参加せずアーカイブの閲覧を希望する方も お申し込みください。

・実行委員会:
 箕浦一哉(山梨県立大学、実行委員長)
 上野正章(京都市立芸術大学)
 大門信也(関西大学)

●詳細
詳細は2020年度春季研究発表会特設サイトをご覧ください。


2019年度 秋季研究発表会 プログラム

■研究発表会概要

・日時:2019年12月01日(日)13:00-16:30
    (※時間帯を変更しました)
・会場:山梨県立大学飯田キャンパスA棟6階A610教室
    (山梨県甲府市飯田5-11-1)
     http://www.yamanashi-ken.ac.jp/info/info/map
・主催:日本サウンドスケープ協会
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円

・実行委員会:
 箕浦一哉(山梨県立大学・実行委員長)
 上野正章(京都市立芸術大学)
 大門信也(関西大学)



■プログラム

   
12:30 受付開始
13:00 開会
13:05 一般報告(発表20分+質疑10分)
13:05 第1報告:箕浦一哉
  音風景事業に参加した市民は何を感じたか:
「北播磨の音風景」の取り組みから
13:35 第2報告:大浦瑞樹
  街頭サイレンのサウンドスケープ:
近代日本における利用用途と言説分析
14:05 第3報告:上野正章
  1950年代のミュージックサイレンの普及を考える:
姫路、岸和田、浜松の事例を中心に
14:35 ショートトークおよび総合討論
14:35 報告:兼古勝史
  「ミュージックサイレンの思い出」調査:浜松市の事例から
14:45 総合討論
15:20 休憩
15:30 特別セッション
  丸山亮・平松幸三
  サウンドスケープ研究の個人史的トーク
16:30 閉会
   



○報告要旨

1.一般報告

◇第1報告
音風景事業に参加した市民は何を感じたか:「北播磨の音風景」の取り組みから
報告者:箕浦一哉(山梨県立大学)


本報告では、兵庫県北播磨地域において2016年から実施されている「北播磨の音風景」の活動に参加した市民委員への自由記述質問紙調査結果に基づいて、音風景に関する地域活動に対する市民の反応を分析する。この事業は、兵庫県北播磨県民局が市民を公募して組織した「北播磨地域ビジョン委員会」の「文化が花開く分科会」において実施した取り組みである。活動としては音風景を通して地域の文化を発信することを目的として、2016〜2018年度の3年間で「北播磨音風景50選」を選定するとともに、市民自身の手でフィールド録音に取り組んだ。

質問紙調査は事業に取り組んだ市民委員24名を対象とし、北播磨県民局担当者を通じて配付し、回収は郵送にておこなった。回答数は16件であった。質問紙は自由記述で回答する項目として、(1)担当した音風景、(2)取り組みにおいて楽しく感じたこと、(3)取り組みにおいて難しく感じたこと、(4)そのほかの感想、の4問を設けた。ほか、回答者の属性を問う質問を設けた。調査は2019年3月から4月にかけて実施した。

調査の結果、活動を通じて音風景や地域文化に関する気づきが得られたことなどについて肯定的な意見がみられた。また、活動のプロセスにおいて直面した問題点などについても回答が得られた。これらの結果を通じ、音風景に関する市民活動を実施することの意義や実施上の課題について整理した。


◇第2報告
街頭サイレンのサウンドスケープ:近代日本における利用用途と言説分析
報告者:大浦瑞樹


本研究は戦前期日本に設置された街頭サイレンの使い手や聞き手の言説分析をもとに、サウンドスケープが総力戦体制に回収される過程や、街頭サイレンの有していた機能を明らかにするものである。現代日本の共有空間に設置された防災行政無線や自治会有線放送などの音楽放送(以降は街頭時報とする)は、永井、箕浦、上野・兼古らによって、地域共同体の紐帯として機能することが指摘されてきた。いっぽう、齋藤は、東京市の街頭サイレンをケーススタディに、時報サイレンとファシズムの関係を指摘した。東京市の街頭サイレンは時報装置として設置されたものの、関東防空大演習の警報手段や明仁親王誕生を告知する装置としても利用された。これらの事実をもとに、街頭サイレンが市民の総動員体制への参加を音響的に準備した、と斎藤は指摘する。永井、箕浦、上野・兼古、齋藤らの研究は、街頭時報研究に2つの意義を与えている。1つは、街頭時報が聞き手に共有されたサウンドスケープを持つこと、2つめは、サウンドスケープの歴史研究の可能性を示唆している。

本研究では、これらの研究をふまえ、近代期日本のサイレンが形成したサウンドスケープの変遷と、サイレンが有していた機能を議論する。この目的を達成するため、近代日本でサイレンの利用用途と聞き手の残した言説を分析する。まず、時報サイレン定着以前のサイレンは工場の時報装置として利用されたが、サイレンは工場外まで響き、その可聴範囲は広範にわたった。そのため、サイレンは工場や近代化の一環として認知され、聞き手はサイレンに近代産業文明と日本の近代化を投影した。次に、1922年に国内メーカーが国産化に成功すると、植民地を含めた日本の各地で、時報に特化したサイレンが設置される。時報サイレンは時報以外の目的や特別な日に吹鳴がされた。この特別吹鳴の目的は、当初は選挙や天気予報など、地域性のあるイベントの告示を目的としていた。しかし、特に東京市の場合、1940年に軍国主義的目的が特別吹鳴に台頭する。さらに、1941年12月8日の真珠湾攻撃以降、東京市の街頭サイレンは時報機能を停止させられ、総力戦体制の枠組みに回収される。

これらの分析を踏まえ、本研究は、すでに戦前期日本で、街頭時報装置が地域共同体や国民としての紐帯の役割、集合的記憶の再生産の機能を有していたことを明らかにする。

◇第3報告
1950年代のミュージックサイレンの普及を考える:姫路、岸和田、浜松の事例を中心に
報告者:上野正章(京都市立芸術大学)


現代日本のサウンドスケープを特徴づけるものの一つに音楽時報がある。大音響の旋律で時を知らせる装置で、近年減少傾向にあるもののまだまだ根強い人気があり、全国各地でメロディーの吹鳴が行われている。 カリヨンや音楽時計が盛んな西洋諸国に比して、日本における音楽時報の普及は遅い。1950年代以降を待たなくてはならなかった。ただし、浸透する速度は速く、急速にサウンドスケープが変化していった。しばしば与えられるのが、空襲サイレンの記憶を払拭するために音楽時報が大歓迎されたという説明である。しかし、本当にそうなのだろうか。

確かに、複数のサイレンが奏でる郷愁を帯びた旋律は美しい。しかしながら、そもそも全ての都市が空襲の被害に遭ったとは限らないし、年を経るごとに戦争の記憶は失われる。さらに音楽時報はそれほど安価とは言えず、やや長めの大音量の音楽放送は、騒音源になる可能性も否定できない。これら要因はどのように調整されて、音楽時報が設置されていったのだろうか。近世の釣鐘や時の鐘に比して音楽時報の先行研究は乏しい。本発表は、普及の先陣を切った日本楽器製造株式会社によるミュージックサイレンに注目し、設置された都市を幾つか取り上げて、当時の文献資料を精査することによって普及のメカニズムを明らかにする試みである。 浜松市、姫路市、岸和田市の状況の比較検討を試みる。


2.ショートトークセッション

□第1報告
「ミュージックサイレンの思い出」調査:浜松市の事例から
報告者:兼古 勝史(立教大学・武蔵大学他)


戦後、工場からのサイレン音が空襲警報を思い起こすことへの配慮から開発され、68年の長きにわたって地域のに空に鳴り響き2018年12月に惜しまれつつ吹鳴が終了した、静岡県浜松市の楽器工場の音楽時報=ミュージックサイレンについて、日本サウンドスケープ協会共同研究プロジェクト「浜松研究会・ミュージックサイレン研究グループ」が地元自治体の協力を得て実施した、地域住民への聞き取り調査、アンケート調査の経緯と経過を報告します。


3.特別セッション

サウンドスケープ研究の個人史的トーク
丸山亮・平松幸三


1968年丸山は京都大学工学部の卒論で町の音の調査を行った。いわゆる工学的なアプローチではなく、サウンドスケープ調査の萌芽というべきものだった。平松が同じ学科で騒音研究を始めたのが1972年、学位請求論文が完成したのが1978年である。丸山の卒論から10年経っていた。平松の研究は、完全に科学的方法論によっていて、白色騒音を刺激音にして心理実験したものだった。のちに生活環境音を刺激音に用いる研究に移り、さらにフィールド調査を行うようになった。その研究軌跡は、2年前に京都で行った総会の基調講演の個人史版であり、今回の発表はその補足と肉づけのようなことになる。二人で音楽史、科学史・科学哲学の話題などもいれつつ、過去半世紀の音環境研究や20世紀音楽の歴史のなかでサウンドスケープ研究を位置づけ、フロアも交えて語りたい。

2019年度 秋季研究発表会 開催概要および発表募集要項

■研究発表会概要

・日時:2019年12月1日(日)13:00-16:30
(※時間帯を変更しました)
・会場:山梨県立大学飯田キャンパスA棟6階(山梨県甲府市飯田5-11-1)
・主催:日本サウンドスケープ協会
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
・発表申込期限:2019年10月20日(日)
・原稿提出期限:2019年11月17日(日)
・実行委員会:
 箕浦一哉(山梨県立大学・実行委員長)
 上野正章(京都市立芸術大学)
 大門信也(関西大学)

-------2019/11/11追加情報はじまり-------

・プログラム
 ・13:00~14:30 一般報告(3件)
 ・14:30~15:20 ショート・トークおよび総合討論
 ・15:30~16:30 サウンドスケープ研究の歴史をめぐる特別セッション

詳細プログラムは近日中にお知らせします。
時間変更によりご不便をおかけして申し訳ありません。

ショート・トークのご発表のみ追加募集をいたします。
ショート・トークはさまざまな話題を気軽に発表していただくためのものです。
・1件5分間で発表していただきます。
・質疑応答時間は設けず,続けて発表をしていただきます。
・資料(講演論文)を提出していただく必要はありません。
・プロジェクタは使用できます。
発表を希望される方は、以下の申込フォームからお申し込みください。
申込期限は11月17日(日)です。
 発表申込フォーム:https://forms.gle/nozzYDczg8sMDC3y6

多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

-------2019/11/11追加情報終わり-------




■応募規定<一般報告>

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。

【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。
発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。
※発表件数により発表時間変更の場合があります。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。
発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答10分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。
※応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。
資料の書式は協会誌に準じ、分量は2ページから10ページ以内とします。必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。

原稿提出先:sgm@soundscape-j.org

○発表申込
下記の申込フォームから,氏名・所属・連絡先,発表形式,発表タイトル,要旨(800字程度),キーワード(5つまで)を期限までにお知らせ下さい。発表形式Bの場合は,使用機材,発表希望時間もお知らせください。

■応募規定<ショート・トーク・セッション>

一般報告とは別に,さまざまな話題を気軽に発表していただくためにショート・トーク・セッションを設けます。まとまった研究成果だけでなく,進行中の研究の途中経過や今後の研究アイディアなど,サウンドスケープ研究に関することであれば何でもかまいません。
・1件5分間で発表していただきます。
・質疑応答時間は設けず,続けて発表をしていただきます。
・資料(講演論文)を提出していただく必要はありません。
・プロジェクタは使用できます。
協会正会員、もしくは学生会員であればショート・トーク・セッションで発表する資格があります。一般報告との重複応募も可能です。どうぞふるってお申し込みください。

○発表申込
ショート・トーク・セッションでの発表を希望する方は,氏名・所属・連絡先,発表タイトル,要旨(200字程度)を下記の申込フォームからお知らせください。 なお,応募者多数の場合、応募内容をもとに実行委員会で発表者の選考を行う場合があります。


●発表申込先
発表を希望される方は、以下の申込フォームから必要情報を入力してお申し込みください。申込期限は10月20日(日)です。
 発表申込フォーム:https://forms.gle/nozzYDczg8sMDC3y6

●お問い合わせ先
本研究発表会に関するお問い合わせは下記メールアドレスまでお願いします。
 sgm@soundscape-j.org


2019年度 春季研究発表会 プログラム

■研究発表会概要

・日時:2019年5月25日(土)13:30-17:30
・会場:東京大学柏キャンパス 環境棟6階講義室
    (千葉県柏市柏の葉5-1-5)
     https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam03_01_06_j.html
・主催:日本サウンドスケープ協会
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円

・実行委員会:
 上野正章(京都市立芸術大学、実行委員長)
 箕浦一哉(山梨県立大学)
 佐久間哲哉(東京大学)



■プログラム

13:30 開会
13:35 第1部・一般報告(質疑・交代10分)
13:35 報告1:新川愛
  日本における「環境音楽」の意味の変遷
14:05 報告2:川崎義博
  バシェ音響彫刻の修復 蘇るその響き
14:55 報告3:上野正章
  昭和30年代の土産物レコードに録音された日本の音について
15:40 休憩
16:00 第2部・ショートトークセッション
  報告1:箕浦一哉
  山村集落の音風景を考える:山梨県笛吹市芦川町を事例として
  報告2:塩見寛
  半鐘のサウンドスケープ・火の見櫓を文化財として登録する活動
  報告3:鳥越けい子
  渋谷・円山町まちあるきガイドブックのWeb展開
  報告4:斎藤馨
  サイバーフォレスト録音を車内でスマホ聞きながらタグ付けしてSNS共有する
  報告5:坂東晴妃
  サウンドスケープの美的鑑賞――環境美学の視点から
16:30 総合討論
17:30 閉会
   



○報告要旨

1.一般報告

◇第1報告
日本における「環境音楽」の意味の変遷
報告者:新川愛(同志社女子大学)


今日、日本において「環境音楽」という語は様々な意味合いで使用されており、「環境音楽」と呼ばれている音楽・芸術実践は多種多様である。バックグラウンド音楽、アンビエント・ミュージック、音響彫刻、サウンドスケープ等、数多くの「音楽」を包括する語として使用されてきた「環境音楽」という語が意味するものとはいったい何であるのか。また、どのようなものが「環境音楽」として語られてきたのであろうか。

本研究では、日本において「環境音楽」という語が使用されはじめた1960年代から現在までの文献より、特にその時代思潮を代表すると思われるものについて、年代をおって検討した。しかしながら、帰納的な方法によって「環境音楽」の定義を抽出することは行わない。「環境音楽」という語の意味が拡大された今日において、その定義づけをおこなうことは、もはや不可能である。普遍的な意味の抽出よりも重要なことは、意味をその使用法に従わせるための「使用のされ方」について検討することではないかと考えた。したがって本研究は、実証的な研究から意味の変遷を明らかにすることにより、「環境音楽」とはどのようなものであったのかを考察するための一助となることを目的としている。

年代ごとに文献を検討した結果、それぞれの時代において「環境音楽」が意味するものには共通する部分と異なる部分があり、ある時期に使用されていた意味が後にまた使われている例が存在していることから、「環境音楽」の意味がはっきりとしないまま言葉だけが広く使用されていたことが明らかとなった。このような意味の多様性は、その社会の変容から多大な影響を受けていることは明白ではあるが、ほかの要因としては、「環境音楽」と呼ばれるものを論じる視点が変化したことが考えられる。


◇第2報告
バシェ音響彫刻の修復 蘇るその響き
報告者:川崎義博(和光大学)


1970年大阪万博の時、鉄鋼館に展示されたバシェの音響彫刻は、楽器としての機能と彫刻としての形態を持つ世界的に貴重な作品であった。当時鉄鋼館を訪れた人々は、その音響彫刻に触れその響きに包まれる体験をした。しかし万博終了後、その作品は解体され、倉庫に放置され忘れ去られた。約50年の時を迎え修復された音響彫刻は、近代の美術品の修復問題だけでなく、現在においての新たなる意味を持つ。その原点的な音響装置の構造が生み出す音の響きは、デジタルで育った若い人たちに、デジタルにはない新しい音の空間を体験させる。また、音階を持たない楽器の存在は、誰でもがそれに触れ、音の体験ができる機会を提供した。このことは、サウンドエデュケーションにも通じることである。音の響きに直接手を触れ体験し、そこに生まれる音の空間に身を置く体験。音階がないからこそ誰でもが触れることができ、そこに生まれる音を発見し、楽しむことができる。過去の作品の修復から始まった修復プロジェクトは、実は新しい音の体験を提供するプロジェクトの意味を新たに持った。修復の課程と問題、音響彫刻を用いた新しい音の表現。そして、誰でもが体験できる音の響きの空間に耳を傾けていただきたい。

◇第3報告
昭和30年代の土産物レコードに録音された日本の音について
報告者:上野正章(京都市立芸術大学)


日本におけるサウンドスケープの普及において平成8年(1996年)に行われた環境省による「日本の音風景100選」ほど大きな役割を果たした事業はない。おびただしい数のガイドブックや録音・映像全集が出版され、新聞記事を調査するならば、傑出して大きな取り扱いを見出すことができる。

決定には公募方式が用いられたが、応募総数は738件にも上った。応募時における強い関心は、「日本の音風景100選」に先立って日本の音に対する一定の理解があったことを示しているのではないだろうか。確かに選定事業が音風景への興味・関心を喚起したことは間違いない。しかし、同時にこれを再編したと考えることもできる。ただし、過去の人々の日本の音に対する考え方を知ることは容易なことではない。まとまった資料に乏しく、時代を遡るにつれて手がかりを見出すことはますます困難になっていく。

本発表は、日本の音の記録を試みたレコードに注目して、この問いにアプローチする試みである。吹込みの黎明期から音の録音の試みはあったが、LPレコードの出現によって高音質・長時間の録音が可能になると、次々に録音した音環境を構成した作品が生み出されていった。『サウンドとメディアの文化資源学』は当時のレコードに語り物的な資質を聴き取るが、着目したいのが一群の図鑑的な特質を持つレコードである。楽器、鳥の鳴き声、外国語、虫の音、走行音、梵鐘、京都、季節といった特定のテーマに関連する音を録音し、個々に説明を付し、ゆるく関連付けて構成したレコードだが、この中に日本の音に関するレコードも見出すことができる。昭和30年代に出版された日本の音が録音された土産物レコードを中心に、当時の人々の日本の音についての理解を検討し、「日本の音風景100選」を捉え直すことを試みたい。


2.ショートトークセッション

□第1報告
山村集落の音風景を考える:山梨県笛吹市芦川町を事例として
報告者:箕浦一哉(山梨県立大学)


本報告では、山梨県笛吹市芦川町上芦川集落におけるフィールドワーク結果を示しながら、中山間地におけるサウンドスケープ研究のあり方について検討する。フィールドワークにおいては、音を切り口にすることで住民から体験の記憶を呼び起こし、地域社会と環境の変容に関する語りを得ることができた。音風景と聴覚文化が近代化の過程でどのように変化したかを検討するうえで、伝統的な生活文化が残存する中山間地は重要なフィールドと考えられる。

□第2報告
半鐘のサウンドスケープ・火の見櫓を文化財として登録する活動
報告者:塩見寛(火の見櫓からまちづくりを考える会)


半鐘を叩いて火事を報せた火の見櫓。半鐘の音は、集落内の人々に危険を報せる音であると同時に、集落の外に救援を要請する音でもあった。人々をつなぎ、地域をつなぐ音でもあった。火の見櫓は、すでに本来の機能はなくなったが、いまだに火災予防週間に半鐘を叩いている静岡県大井川沿い川根地域の火の見櫓を、国登録有形文化財に登録する取り組みを進めている。大井川鉄道のSLの車窓から見える15基の火の見櫓を手始めに、地域を見つめる安全遺産として文化財登録をすすめていく。

□第3報告
渋谷・円山町まちあるきガイドブックのWeb展開
報告者:鳥越けい子(青山学院大学)


渋谷には「繁華街としての都市渋谷の元」となった神泉・円山というまちがある。その現在の音風景を体験するとともに、都市の記憶(土地に蓄積された環境文化資源)を聴きとるため企画・制作した小冊子について昨年度、その音のデータも含めて閲覧できるWeb制作を試みた。現在進行中のプロジェクトの内容と位置付けを、その課題と展望と共に報告する。

□第4報告
サイバーフォレスト録音を車内でスマホ聞きながらタグ付けしてSNS共有する
報告者:斎藤馨(東京大学)


サイバーフォレストでは各地の自然地ライブ音を配信し同時に録音ファイルを公開している。 http://cyberforest.nenv.k.u-tokyo.ac.jp/tabushima-sound/20190422/20190422040336tabushima.mp3 は2019年4月22日4時3分36秒に録音終了したファイルである。これを通勤電車内でスマホで聞きながら、特徴的な音のする時分秒を記録し、URLと共にSNSにアップすれば、そのタイミングの自然音が共有できる。これはサウンドアーカイブ活用の新たな局面である。

□第5報告
サウンドスケープの美的鑑賞――環境美学の視点から
報告者:坂東晴妃(大阪大学)


音を聴く行為を「聴取」と言うならば、音を風景として捉えるサウンドスケープの聴取は、聴取を超えた「鑑賞」とも言えよう。サウンドスケープを美的に鑑賞する際、その鑑賞の対象は自然音や環境音が中心である。自然環境を対象とする鑑賞についての考察は、環境美学と呼ばれる分野で扱われてきた。本報告では、環境美学で議論されてきた鑑賞理論を紹介するとともに、サウンドスケープにおける鑑賞の在り方を検討する。

2019年度 春季研究発表会 発表募集要項

■研究発表会概要

・日時:2019年5月25日(土)13:00-18:00
    (発表件数により時間変更の可能性があります)
・会場:東京大学柏キャンパス 環境棟6階講義室
    (千葉県柏市柏の葉5-1-5)
     https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam03_01_06_j.html
・主催:日本サウンドスケープ協会
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
・発表申込期限:2019年4月21日(日)
・原稿提出期限:2019年5月12日(日)

・実行委員会:
 上野正章(京都市立芸術大学、実行委員長)
 箕浦一哉(山梨県立大学)
 佐久間哲哉(東京大学)


■応募規定<一般報告>

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。

【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。 発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。 発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答10分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。 ※応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。 資料の書式は協会誌に準じ、分量は2ページから10ページ以内とします。必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。 原稿提出先:sgm@soundscape-j.org

○発表申込
下記の申込フォームから,氏名・所属・連絡先,発表形式,発表タイトル,要旨(800字程度),キーワード(5つまで)を期限までにお知らせ下さい。発表形式Bの場合は,使用機材,発表希望時間もお知らせください。


■応募規定<ショート・トーク・セッション>

昨年好評だった「ショート・トーク・セッション」を今回も企画しています。一般報告とは別に,さまざまな話題を気軽に発表していただくために設けるものです。まとまった研究成果だけでなく,進行中の研究の途中経過や今後の研究アイディアなど,サウンドスケープ研究に関することであれば何でもかまいません。

・1件5分間で発表していただきます。
・質疑応答時間は設けず,続けて発表をしていただきます。
・資料(講演論文)を提出していただく必要はありません。
・プロジェクタは使用できます。
協会正会員、もしくは学生会員であればショート・トーク・セッションで発表する資格があります。一般報告との重複応募も可能です。どうぞふるってお申し込みください。


○発表申込
ショート・トーク・セッションでの発表を希望する方は,氏名・所属・連絡先,発表タイトル,要旨(200字程度)を下記の申込フォームからお知らせください。 なお,応募者多数の場合、応募内容をもとに実行委員会で発表者の選考を行う場合があります。

●発表申込先
発表を希望される方は、以下の申込フォームから必要情報を入力してお申し込みください。
申込期限は4月21日(日)です。
 発表申込フォーム:https://forms.gle/ZmE4ikCwxmxzveCM7

●お問い合わせ先
本研究発表会に関するお問い合わせは下記メールアドレスまでお願いします。
 sgm@soundscape-j.org


2018年度 秋季研究発表会 プログラム

■研究発表会概要

・日時:2018年12月2日(日)9:30-16:00
・会場:青山学院アスタジオ 地下1F講義室
    (東京都渋谷区神宮前5-47-11)
・主催:日本サウンドスケープ協会
・共催:青山学院大学総合文化政策学部鳥越研究室
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円

・実行委員会:
箕浦一哉(山梨県立大学・実行委員長)
上野正章(京都市立芸術大学)
鳥越けい子(青山学院大学)


■プログラム

9:30~12:35 第1部・一般報告(発表20分+質疑・交代10分)
・9:30 開会
・9:35 報告1:塩川 博義
     梵鐘におけるうなりの発音性状に関する研究
     - 真栄寺の梵鐘を例にして -
・10:05 報告2:須古 泰志
     自然のサウンドスケープ体験がもたらす癒し効果の生理学的評価
・10:35 報告3:堤 遼・佐久間 哲哉
     経験サンプリング法に基づく音環境の時空間的記述に関する研究
・11:05 休憩
・11:15 報告4:箕浦 一哉
     音風景を用いた市民事業による地域文化の発見:
     「北播磨の音風景」の取り組みから
・11:45 報告5:土田 義郎・五十川 雄丈・高橋 大吾
     音風景100選に対する地方公共団体の認知状況
     北陸地域を対象として
・12:15 総合討論
・12:35 第1部終了

14:00~16:00 第2部・浜松研究会報告(企画セッション)
・14:00 報告1:浜松市の環境政策における音環境
・14:30 報告2:ヤマハ本社のミュージックサイレン
・15:00 報告3:遠州灘の波音・波小僧
・15:30 総合討論
・16:00 第2部終了

(16:30~17:30 共同研究プロジェクト研究会)


○報告要旨

◇第1報告
梵鐘におけるうなりの発音性状に関する研究 - 真栄寺の梵鐘を例にして -
報告者:塩川博義(日本大学)

うなりとは、周波数が僅かに異なる二つの音を鳴らす事により音が互いに干渉しあい、振幅がゆっくりと変化していく合成波である。このうなりは日本の和鐘や、屋外での演奏を主としたインドネシア・バリ島のガムラン音楽などに用いられ、東洋の文化に根づいている。 本研究では、いろいろなうなりを伴う発音体の振動モードを分析する。本報では千葉県我孫子市にある真栄寺の梵鐘を例に鐘の音のうなりがどのように発音するのかをモード解析によって分析している。 梵鐘の大きさを計測しAutoCADで3Dモデルを作成する。そして、その3Dモデルを有限要素解析ソフトのANSYSを用いてモード解析を行う。物体に力を与えるといくつかの振動が重ね合わせて発生する。それを一つ一つの振動に分解することがモード解析である。3Dモデルをコンピュータ上で振動のモード解析シミュレーションを行い、実際に測定した音源と比べることで鐘の音の特性を調べる。 梵鐘の振動を解析していくと、同じ形状の振動の角度がずれたものと対になって存在していることがわかる。この二つの振動の僅かな周波数差が梵鐘の音色の大きな特徴であるうなりを作りだしている。3Dモデルは正確な回転体であるため、ANSYS上の結果では、本来、同形状の振動において周波数差は発生しないが、撞座があることにより0.2Hz程度の周波数差を再現している。さらに現実の梵鐘は歪みや密度や厚さの偏りなどの要因で二つの振動の差が大きくなると考えられ、真栄寺の梵鐘における実際の音は0.4~1Hzのうなり周波数となっている。 梵鐘の発音性状について、それぞれの振動形状に同形状で回転方向にずれた振動が存在し、その2つの振動の僅かな周波数差によりうなりが発生することを明らかにした。今後は、ゴングや銅鑼におけるうなりの発生性状についても検討する予定である。

◇第2報告
自然のサウンドスケープ体験がもたらす癒し効果の生理学的評価
報告者:須古泰志(東京大学)

自然のサウンドスケープ体験には人間のストレスを軽減させる効果があることが明らかになっており、その効果を客観的かつ定量的に評価するために、自然音が聴取者に与える生理的影響を測定・評価することが推奨されている。具体的には、被験者の皮膚コンダクタンスの上下変動がストレスレベルの変化と相関することが、複数の先行研究で示されている。しかし、現時点で示されている結果は主に「人為起源の騒音」と「自然環境音」との違いを比較するような、「自然音」を一括りにして扱っているものが大多数であり、自然音の中での細かな違い(同時に聞こえる鳥の種数、個体数の差異や、録音地の気候や録音時期の違いなど)ごとに被験者の生体信号を測定した実験は例がない。そこで本研究では、自然音に特化して、被験者の5つの生体信号(皮膚コンダクタンス、心拍数、呼吸数、皮膚温度、脳波)を測定・解析し、音源ごとの傾向の違いを詳しく検討・考察ことを目的とする。自然音の再生手法としては、実験室外でのより日常性の高い環境下で、かつ再現度の高い状態で音を聞かせるために、Pioneer社が開発した半没入型音響再生装置「サウンドコクーン」を用いて実験を行う。これにより、ヘッドホンを用いるよりも音源採取地点での聞こえ方に近い条件で、自然音を提示できる。次に使用音源については、陸上と水中両方の音を使用した。なお、前者については森の音を中心に、音の構成要素に着目して細かな分類に基づく複数の音源を用意した。さらに自然音の聴取時間については各2分とし、音源間に30秒の無音期間を設定した。また、今回測定する生体信号の値には個人差があるため、本研究では各被験者から得られたデータを解析したのち、仮説通りになるケースとならないケースとに分け、その差を生み出した原因について考察することを検討している。以上の内容を踏まえ、本発表会ではその経過を報告する。

◇第3報告
経験サンプリング法に基づく音環境の時空間的記述に関する研究
報告者:堤遼(東京大学)、佐久間哲哉(東京大学)

本研究は,スマートフォンとGISとを用いた音環境体験の主観的記述法の提案を試みるものである. 都市・建築分野において音環境をめぐる議論は,「騒音」問題の改善という姿勢から,騒音以外の音も対象に含めた多面的な「音環境」を評価するという姿勢へとシフトしてきており,サウンドスケープの概念を取り入れた事業やまちづくりなどが試みられている.最近は生活の質向上,住民主導のまちづくりに向けた環境省による「感覚環境のまちづくり」が推進され,様々な可能性を見せている反面,問題点も明らかになっている.その1つとして,人間の認知的立場から場の音環境を記述する方法に成熟したものがないことが挙げられる.本研究の目的は,動的な時空間体験の中で人間が認知する音の意味論的な側面を記述し表現する手法の提案である. 音環境に耳を傾け,環境に気づき,その体験を記述し外在化する行為自体が「サウンドエデュケーション」として,またその体験を可視化したコンテンツは,地域住民の議論の媒体となり,感覚環境の価値を再発見・共有する「コミュニケーションツール」として,感覚環境のまちづくり推進の一助となることを目指す. 音環境体験の記述フローとして,第一に歩行による音環境体験,第二にスマートフォンを用いた経験サンプリング法(ESM)による体験の抽出,第三にGIS等を用いた体験の可視化を行う.動的な音環境体験を解釈し,抽出する手法に関する既往研究が見当たらないため,音環境体験のモデル化を行い,質問項目を作成した.本研究では,提案手法を用いて,個人の音環境体験を時空間軸上に記述した「通時的な記述」と地図上に記述した「共時的な記述」,また複数の体験データを地図上に布置した「重ね合わせの記述」の3種類の体験の可視化を行い,提案手法の発展性について考察した.

◇第4報告
音風景を用いた市民事業による地域文化の発見:「北播磨の音風景」の取り組みから
報告者:箕浦一哉(山梨県立大学)

音風景の選定事業としては、1990年前後に練馬区、長崎等の先行的な事例があり、1996年には国で「残したい“日本の音風景100選”」が選定された。その後も近年までいくつかの取り組みが各地でおこなわれてきている。これらの事業の実施プロセスや選定された音風景の内容からは、音環境のシンボル性についての人々の認識を知ることができると考えられる。 本報告では2016年から取り組まれてきた「北播磨の音風景」の活動について、行政担当者と参加した市民への聞き取り調査結果に基づいて報告する。これは、兵庫県北播磨県民局が市民を公募して組織した「北播磨地域ビジョン委員会」の「文化が花開く分科会」において実施した取り組みで、2016~2017年度の2年間で「北播磨音風景」の選定および情報発信の活動をおこなったものである。ここで「北播磨」は兵庫県が県域を10に分けたうちの1つで、兵庫県のほぼ中央に位置し、西脇市・三木市・小野市・加西市・加東市・多可町の5市1町から成る。 本事業は最初から音風景の選定をめざしていたものではなく、公募で集まったメンバーが活動内容を協議するなかで、行政担当者からの提案によって「音風景」を活動テーマにするに至ったものである。事務局となる行政職員のサポートのもとで、分科会メンバーの市民が主体となって音風景の選定をおこなった。最終的に産業、行事、自然など40の音風景が選定された。選定された音風景について、メンバー自身が撮影した静止画と録音した音声を用いて動画を作成しインターネットで配信した。 本事業は専門家のアドバイスを受けることなく市民主体で実施した点で、稀少な事例といえる。また、都道府県単位でも市町村単位でもない範域での事業である点も特徴である。この事業は音風景をテーマとすることによって、市民メンバーに地域文化についての新たな気づきをもたらしていた。本報告ではこの事業を分析することから、地域社会における音風景のシンボル性と社会的な実践のあり方について検討を試みる。

◇第5報告
音風景100選に対する地方公共団体の認知状況 北陸地域を対象として
報告者:土田義郎(金沢工業大学)、 五十川雄丈(金沢工業大学)、高橋大吾(金沢工業大学)

「残したい“日本の音風景100選”」は、環境省が平成8年(1996年)に選定したものである。単に身の回りの騒音を減らすだけではなく、サウンドスケープの考え方に基づいて音の意味をとらえて価値化するということがその狙いにはあったと考えられる。当時の騒音行政においては画期的なものであった。選定後は各地方公共団体の持ち回りで音風景保全全国大会が第6回まで行われた。また、県や市によるオリジナルの音風景選定事業がいくつかの団体で行われた。しかし、継続的に100選を活用している事例はみられない状況となっている。 本報告では、北陸3県の音風景100選に絞り、地方公共団体側がどれだけ認知しておりどのような考えを持っているか、また、どのような政策をとっているかを調査することが目的である。調査対象としては、石川県は金沢市の2件、富山県は3件、福井県は1件を対象とする。地方公共団体担当者への電話及び実地でのインタビューを行った。その結果、すべての調査対象で現在行われている活動は無く、また音風景100選についての認知も低いという状況が確認された。地方公共団体では、市民の訴えやニーズに対応した活動を行なっていくため、音風景事業は騒音苦情のようなものに比べると後回しにされてしまうというのが実情であることが示された。本来は環境学習のような場面での活用が望まれるが、今一つ強く訴えるものがないということが分かった。環境政策としては何らかの新しい対応を考える必要があると思われる。


○企画セッション趣旨
 本セッションでは本年8月に浜松市内にて実施した共同調査結果を報告します。この調査は、2016年度から協会事業として実施している共同研究プロジェクトの一環としておこなったものです。8月20日から22日までの3日間の研究会の日程のうち、2日目をフィールド調査にあてました。  浜松市内には「残したい日本の音風景100選」に選定された音風景として「遠州灘の海鳴り・波小僧」があります。これは天候の変わり目に鳴る波音を「波小僧」の知らせであるとするもので、「遠州七不思議」のひとつに数えられています。  また、浜松市では独自の政策として「浜松市音・かおり・光環境創造条例」を定めており、「浜松市音・かおり・光資源百選」を選定しています。ここに選定されている「音資源」のうち「楽器工場のミュージックサイレン」は、ヤマハ本社の建物の屋上に設置された音階を奏でることのできるサイレンで、1950年から定時に音楽を流しているものです。  そこで、浜松市の政策とこれら2つの音風景・音資源をテーマとして、浜松市役所、ヤマハ本社、篠原地区(波小僧視察先)を訪問し、関係者への聞き取りと音風景の体験をおこないました。本企画セッションではその調査結果を報告し、サウンドスケープと地域社会の関係を議論していきます。

2018年度 秋季研究発表会 発表募集要項

■研究発表会概要

・日時:2018年12月2日(日)9:30-15:30
    (発表件数により時間変更の可能性があります)
・会場:青山学院アスタジオ 講義室
    (東京都渋谷区神宮前5-47-11)
・主催:日本サウンドスケープ協会
・共催:青山学院大学総合文化政策学部鳥越研究室
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
・発表申込期限:2018年10月21日(日)
・原稿提出期限:2018年11月18日(日)

・実行委員会:
箕浦一哉(山梨県立大学・実行委員長)
上野正章(京都市立芸術大学)
鳥越けい子(青山学院大学)


■応募規定<一般報告>

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。

【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。 発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。

発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答10分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。
※応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。
資料の書式は協会誌に準じ、分量は2ページから10ページ以内とします。必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。 原稿提出先:sgm@soundscape-j.org

○発表申込
下記の申込フォームから,氏名・所属・連絡先,発表形式,発表タイトル,要旨(800字程度),キーワード(5つまで)を期限までにお知らせ下さい。発表形式Bの場合は,使用機材,発表希望時間もお知らせください。


■応募規定<ショート・トーク・セッション>
昨年好評だった「ショート・トーク・セッション」を今回も企画しています。一般報告とは別に,さまざまな話題を気軽に発表していただくために設けるものです。まとまった研究成果だけでなく,進行中の研究の途中経過や今後の研究アイディアなど,サウンドスケープ研究に関することであれば何でもかまいません。

・1件5分間で発表していただきます。
・質疑応答時間は設けず,続けて発表をしていただきます。
・資料(講演論文)を提出していただく必要はありません
・プロジェクタは使用できます。
協会正会員、もしくは学生会員であればショート・トーク・セッションで発表する資格があります。一般報告との重複応募も可能です。どうぞふるってお申し込みください。

○発表申込
ショート・トーク・セッションでの発表を希望する方は,氏名・所属・連絡先,発表タイトル,要旨(200字程度)を下記の申込フォームからお知らせください。なお,応募者多数の場合、応募内容をもとに実行委員会で発表者の選考を行う場合があります。


●発表申込先
発表を希望される方は、以下の申込フォームから必要情報を入力してお申し込みください。
申込期限は10月21日(日)です。
発表申込フォーム:https://goo.gl/forms/lCE8UK3UMcpmupeE3

● 企画セッション「浜松フィールドワーク報告」
一般報告に加えて企画セッションを設けます。協会の共同研究プロジェクトで8月に実施した浜松でのフィールドワークの結果を報告します。

●お問い合わせ先
本研究発表会に関するお問い合わせは下記メールアドレスまでお願いします。
sgm@soundscape-j.org

2018年度 春季研究発表会プログラム

■開催概要

〇日時:2018年5月20日(日)9:15~13:00(※変更しました)
〇会場:同志社大学良心館RY105教室
    京都市上京区今出川通烏丸東入地下
    地下鉄烏丸線「今出川」駅徒歩1分
〇主催:日本サウンドスケープ協会
〇資料代:会員 無料,一般 1000円,学生 500円
※プログラムはこちら(PDF・298KB・別窓で開きます)からダウンロードできます。


■プログラム

9:15 開会・趣旨説明

<第1セッション>
9:20 第1報告[発表形式A](発表20分+質疑・交代5分)
宮津・竹の学校の活動と音感性
報告者:曽和治好(NPO法人地球デザインスクール)
9:45 第2報告[発表形式A](発表20分+質疑・交代5分)
ミュージアム・コンサートで聴くサウンドスケープ―西宮市貝類館での実践報告
報告者:松本玲子(青山学院大学総合文化政策学研究科)
10:10 第3報告[発表形式A](発表20分+質疑・交代5分)
金沢市寺町寺院群地域における音環境認知の経時比較
報告者:土田義郎(金沢工業大学)
10:35 第4報告[ショートトーク](発表5分)
都市を読む行為としてのサウンドスケープ・プロジェクト事例紹介
報告者:鷲野宏(都市楽師プロジェクト)
10:40 質疑応答(15分)
10:55 休憩(10分)

<第2セッション>
11:05 第5報告[発表形式A](発表20分+質疑・交代5分)
携帯型音楽プレイヤーの使用実態と「気づきのデザイン」の効果
報告者:鶴田(濱村) 真理子(宇都宮大学)
11:30 第6報告[発表形式A](発表20分+質疑・交代5分)
小学校2年生の音探し 教科教育とインクルーシブ教育への可能性
報告者:鈴木秀樹・佐藤牧子(東京学芸大学附属小金井小学校)
11:55 第7報告[発表形式B](発表35分+質疑・交代5分)
「うみなりとなり」の制作からみるフィールド録音の可能性
報告者:柳沢英輔(同志社大学文化情報学部)・岩田茉莉江(音風景研究家)
12:35 質疑応答・総合討論(25分)
13:00 終了


■報告要旨

◇第1報告
宮津・竹の学校の活動と音感性
報告者:曽和治好(NPO法人地球デザインスクール)

NPO法人地球デザインスクールは、2013年より宮津市や大学・市民と協働し、竹林再生をキーワードに宮津・竹の学校事業を推進してきた。さらにイタリアやアフリカのアーティストを招いたアート・ワークショップの開催や、世界竹会議での成果発表など、広い視野から地域の緑地景観再生に取り組んできた。竹野学校の諸活動の中でも、特に五感に着目し、地域ならではの料理の味覚や、サウンドスケープに関する活動なども重視している。
放置竹林の竹穂を利用した「手ぼうきづくりワークショップでは、京都の庭師が利用する小さな竹ぼうきを自作するとともに、京都の庭園の掃除技術の芸術性にも言及し、その中で音にまで配慮した庭師の感性の重要性を指摘する。
また、橋立風鈴づくりワークショップでは、宮津の竹を使用した風鈴のデザインに取り組み、商店街との協同のうえで、音に特徴のある、宮津の新たな商品開発への展開を目指している。さらに、宮津の環境音の採取などを通じた、環境音楽の創造や、天橋立の景観整備への提言など、様々な活動が展開されている。
里山再生、景観保全のための教育的な活動においても、サウンドスケープの思想を導入し、時間的概念や感覚的共感を得ることにより、プロジェクトの推進力を強めることができ、さらに多様な人々の参画にもつながることが分かりつつある。
このように、ランドスケープデザインや環境デザイン、建築、景観、風致など我々の生活環境を保全し、創造する分野においてもサウンドスケープ概念を導入することにより、従来の概念では達成できなかった、大きな成果を期待することができる。

◇第2報告
ミュージアム・コンサートで聴くサウンドスケープ―西宮市貝類館での実践報告
報告者:松本玲子(青山学院大学総合文化政策学研究科)

筆者はミュージアム・コンサートでの演奏を重ねるうちに、音楽で博物館のサウンドスケープを聴くことができるのではかと考えるようになった。そこで本発表では2017年におこなった西宮市貝類館でのミュージアム・コンサートにおいて試みた「地域を聴く」実践について報告する。
西宮市貝類館は兵庫県西宮市の港湾内造成地にあり、世界の貝や関連資料を展示する博物館である。市の環境学習の拠点施設として、2017年のリニューアル事業に際しても「地域」がテーマとなった。そこで筆者はリニューアル記念として開催されるミュージアム・コンサートにおいては、「地域を聴く」実践にしたいと考えた。
そこでまず「館内コンサート」では展示の貝類に関する楽曲に加えて、地域の民話を基にした「音楽と語り」や地域のメロディである「酒造り唄」をモチーフにした楽曲制作をおこなった。また地域ゆかりのヨットが展示され、空や周囲からの音も聞こえる「中庭」で演奏することにより、館とその背景に広がる地域を聴こうとした。
さらに館内コンサートの後は館外に出てサウンドウォークと野外ミニライブをおこなった。公園を歩き、ヨットハーバーでのミニライブを体験することで周辺環境に耳を澄まそうとしたのである。
ミュージアム・コンサートは音楽ホールから博物館への単なる「場の移動」を超えて、館や周辺地域の環境・歴史を聴く装置として機能できるのではないか。貝類館の実践はコンサートで博物館のサウンドスケープを聴こうとする実践において、「地域を聴く」ことを試みたものである。

◇第3報告
金沢市寺町寺院群地域における音環境認知の経時比較
報告者:土田義郎(金沢工業大学)

金沢市の寺町寺院群は、平成8(1996)年に環境省(当時は環境庁)の『残したい“日本の音風景100選”』の一つとして選定された。住職が撞く鐘以外にも、毎週土曜夕方6時に地域住民の有志の方による“鐘音(しょうおん)愛好会”というボランティア団体がいくつかの寺院で鐘を撞くことからその価値が認められた。選定から6年後の2002年に、鐘の所在・運用実態調査、寺町周辺地域の騒音レベル測定、住民意識調査を研究室で実施した。それから15年後の現在にこれらはどのように変化したのだろうか。多面的に確認・比較することで、新たな問題点を発見することが本研究の目的である。今回の調査は以下の4つからなる。調査1 鐘音(しょうおん)愛好会へのヒアリング調査2 寺町台寺活協議会に所属する寺院へのヒアリング調査3 梵鐘を所有する寺院へのヒアリング調査4 中学校生徒と保護者へのアンケートアンケート調査では、音風景100選を知らない、あるいは鐘の音を聞いたことがない地域住民が多数存在した。その一方、鐘の音を保全して行きたいという願望を持っている人は全体の約90%を占めている。鐘の音を知り、触れることで、認知度を向上させることが期待できる。時間をかけて継続させることで、寺町寺院群の音風景の保全とまちの風景の創出につながる。PTA活動や学校教育の総合学習などを活用した郷土愛を育む試みや、鐘音愛好会との協働による鐘撞きイベントを提案して行きたい。

◇第4報告
都市を読む行為としてのサウンドスケープ・プロジェクト事例紹介
報告者:鷲野宏(都市楽師プロジェクト)

「さいたまトリエンナーレ2016」に関連して、鷲野が主宰する「都市楽師プロジェクト」が企画したアートプロジェクト「オオミヤ・サウンドスケープ」を中心に、サウンドスケープの考え方を用いたアートによる「まちづかい」やワークショップ事例を紹介する。

◇第5報告
携帯型音楽プレイヤーの使用実態と「気づきのデザイン」の効果
報告者:鶴田(濱村) 真理子(宇都宮大学)

近年,携帯型音楽プレイヤーや,音楽再生機能を有するスマートフォンが広く普及している。しかし,音楽ばかりに耳を傾けることによって,一般的に好まれるであろう鳥の鳴き声などの自然環境音に対する興味,関心が低下し,それらの音が不要な音,すなわち「騒音」として捉えられてしまう危険性もある。そこで,携帯型音楽プレイヤーの使用実態調査を行い,その結果を分析した。
大学生147名を対象に行ったアンケート調査の結果,携帯型音楽プレイヤーの所有率は約99%であった。音楽聴取は「気分転換」などのポジティブな理由だけでなく,「周囲のうるささを緩和するため」などのネガティブな理由でも行われていた。音楽聴取時に自動車と接触しそうになるなど,危険に遭遇した経験がある使用者も約15%存在した。音楽聴取時に自然環境音を「うるさい」と感じ,周囲の音に対する興味関心の低下を自覚している使用者の存在も明らかになった。 多重応答分析の結果,ネガティブな理由での音楽聴取や,自然環境をうるさいと感じる,周囲の音への興味関心の低下を自覚している,という回答に関連性があることが分かった。これらの回答と携帯型音楽プレイヤーの使用期間が5年から15年という回答にも関連性があり,長期間に渡る携帯型音楽プレイヤーの使用が音楽の聴取傾向に影響を与えた可能性が示された。
このような現状の改善には,「気づきのデザイン」が有効であると考えられる。著者らは過去に携帯型音楽プレイヤーの使用者に対し,音楽を聞かずに屋外を歩行する機会を設ける実験を行った。さらに,ハイブリッド車などの静音車に搭載されている接近通報音を対象とした気づきのデザイン実験も行った。いずれの実験でも被験者は実験参加後に音楽以外の音に興味を向けることの重要さや,周囲の音に対する興味,関心の変化を報告した。携帯型音楽プレイヤーの使用者に対する周囲の音への意識の向け方の改善を今後も継続して図る必要があると考えられる。

◇第6報告
小学校2年生の音探し 教科教育とインクルーシブ教育への可能性
報告者:鈴木秀樹・佐藤牧子(東京学芸大学附属小金井小学校)

公教育が学習指導要領に則って行われているのは自明のことであるが、その中にサウンド・エデュケーションは、位置づけられていない。「サウンド・エデュケーション的」なものが例えば音楽科などに含まれてはいるが、それは各々の教科の考えから導き出された結果、書かれたものであって、サウンドスケープの思想とはおそらく関係がないものである。
したがって、サウンド・エデュケーションを小学校の教育課程の中で行おうとすれば、総合的学習の時間くらいしか枠はない。しかし、総合的学習の時間も地域連携で使われたり、英語やプログラミング教育等で取られてしまうことが多く、サウンド・エデュケーションを取り入れた授業の実現可能性が高いとは言えない。
では、どうすれば小学校においてサウンド・エデュケーションを実践することができるだろうか。筆者らは、特別の時間枠を使うのではなく、既存教科の中での可能性を探ることを考えた。そこで、既存教科の学習を進めつつサウンド・エデュケーションを実践する単元が教科書に含まれていないかを探した結果、小学校2年国語(教育出版)で「音をあらわす言葉、ようすをあらわす言葉」という単元があり、ここでならサウンド・エデュケーションを学習に取り入れられるのでは無いかと考え、授業実践を行った。
結果、小学校2年生においても十分に音に耳を傾ける活動が成立すること、国語の学習にサウンド・エデュケーションを組み込める可能性があることを確認することができた。また、サウンド・エデュケーションを体験することは、発達段階にある小学生が感性を醸成させていく上で大きな意味があると考えているが、それに加えて発達障害を抱えた児童への支援の手立てとしても可能性があることを見出すことができた。

◇第7報告
「うみなりとなり」の制作からみるフィールド録音の可能性
報告者:柳沢英輔(同志社大学文化情報学部)・岩田茉莉江(音風景研究家)

「うみなりとなり」は柳沢英輔と岩田茉莉江が南大東島でのフィールドワークに基づき制作した音の作品(CD+音絵冊子)である。フィールド録音作品の多くは、外部者である録音作家がその土地の音風景を録音し、それをあるコンセプトに従って編集し、音響作品として再構成したものである。しかし、そうした作品には、その土地に住む人々の視点が抜け落ちていることが少なくない。本作品は、まず島の人々がどのような音を大切に聴いているのかを明らかにしつつ、それらの音を録音するという制作プロセスをとった。作業の役割分担として、柳沢が録音を、岩田がその場の音を聴きながら絵(イメージ)を描き、聞き取りは2人で進めていった。聞き取り調査の内容は、CDのブックレットに「島人の言葉」として入れるとともに、特定のトラックにおいて島人との会話を入れ込み、音がフェードインして始まるなどの工夫を行った。また報告者自身がフィールドワークの中で見つけた音、島人にとって馴染みがないだろう音もCDに収録した。
フィールドワークから見えてきたのは島人の音を聴く感覚の鋭さである。例えば、南大東島は台風の通り道にあるため、台風の時季には身体全体を揺さぶるような「海鳴り」が聞こえてくる。漁師は「海鳴り」の音が聞こえると、台風がもうすぐくることが分かるという。またトタン屋根に当たる雨の音を好きな音として挙げる島人が多かったが、近年では、断熱材の使用や、トタン屋根の家自体の減少のために、そうした音が失われつつあることが分かった。本発表では、「うみなりとなり」の制作意図・プロセスについて、音源、録音・編集・公開手法とともに紹介し、そこからフィールド録音が学術や地域社会にどのように貢献しうるかを考えたい。発表の最後に、島で撮影した島人の語りを編集した映像を上映する。


2018年度 春季研究発表会 発表募集要項

■研究発表会概要

・日時:2018年5月20日(日)9:30-12:30
   (発表件数により時間変更の可能性があります)
・会場:同志社大学 今出川キャンパス 良心館 RY105教室
     京都市上京区今出川通烏丸東入地下
     地下鉄烏丸線「今出川」駅徒歩1分
・主催:日本サウンドスケープ協会
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
・発表申込期限:2018年4月15日(日)
・原稿提出期限:2018年5月6日(日)

・実行委員会:
 箕浦一哉(山梨県立大学、実行委員長)
 上野正章(京都市立芸術大学)
 柳沢英輔(同志社大学)


■応募規定<一般報告>

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。

【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。 発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。 発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答10分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。 ※応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。 資料の書式は協会誌に準じ、分量は2ページから10ページ以内とします。必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。 原稿提出先:sgm@soundscape-j.org

○発表申込
下記の申込フォームから,氏名・所属・連絡先,発表形式,発表タイトル,要旨(800字程度),キーワード(5つまで)を期限までにお知らせ下さい。発表形式Bの場合は,使用機材,発表希望時間もお知らせください。


■応募規定<ショート・トーク・セッション>
昨年好評だった「ショート・トーク・セッション」を今回も企画しています。一般報告とは別に,さまざまな話題を気軽に発表していただくために設けるものです。まとまった研究成果だけでなく,進行中の研究の途中経過や今後の研究アイディアなど,サウンドスケープ研究に関することであれば何でもかまいません。

・1件5分間で発表していただきます。
・質疑応答時間は設けず,続けて発表をしていただきます。
・資料(講演論文)を提出していただく必要はありません
・プロジェクタは使用できます。
協会正会員、もしくは学生会員であればショート・トーク・セッションで発表する資格があります。一般報告との重複応募も可能です。どうぞふるってお申し込みください。

○発表申込
ショート・トーク・セッションでの発表を希望する方は,氏名・所属・連絡先,発表タイトル,要旨(200字程度)を下記の申込フォームからお知らせください。 なお,応募者多数の場合、応募内容をもとに実行委員会で発表者の選考を行う場合があります。


●発表申込先
発表を希望される方は、以下の申込フォームから必要情報を入力してお申し込みください。
申込期限は4月15日(日)です。
 発表申込フォーム:https://goo.gl/forms/6uXbuVUBbaIwapot2

●お問い合わせ先
本研究発表会に関するお問い合わせは下記メールアドレスまでお願いします。
 sgm@soundscape-j.org

公開研究会「サウンドスケープが拓く研究の地平」

■協会員限定・公開研究会

公開研究会「サウンドスケープが拓く研究の地平」
日時:2017年12月16日(土)13:30~16:30
会場:青山学院大学総研ビル(14号館※)
   10階 第18会議室(東京都渋谷区渋谷4-4-25)>>構内図

◯趣旨
サウンドスケープという考え方が、既成の研究活動に拓く新たな地平とは何か? 音響学、騒音制御工学、音楽学、社会学その他さまざまな分野に関わる(予め 指定された)協会員がそれぞれの立場から、これまでの学問研究活動に対して、 サウンドスケープのコンセプトがもたらす新たな可能性等やその意義について 語り合う、協会内の「公開研究会」です。 サウンドスケープの学術研究に関心のある協会員の方はお気軽にご参加下さい。

・13:30~15:00 話題提供(調整中)
・15:00~16:30 自由討論

◯参加方法
・参加は無料です
・準備の都合上,下記フォームから参加のお申し込みをお願いいたします
 https://goo.gl/forms/ExSnFZZlBSV52jG22
※この研究会には、協会員のみ参加できます。
※申込締切:12月13日(水)
※当初のご案内から変更
※最新の情報はメーリングリストでの発信をご参照ください。

2017年度 春季研究発表会プログラム

■開催概要

〇日時:2017年5月21日(日)9:30-12:30
〇会場:岩手大学復興祈念銀河ホール(上田キャンパス理工学部内)
 〒020-8551 岩手県盛岡市上田4丁目3番5号 >交通・構内案内
〇主催:日本サウンドスケープ協会
〇資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円

実行委員会:上野正章(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター,実行委員長) 船場ひさお(岩手大学) 木村直弘(岩手大学) 箕浦一哉(山梨県立大学)


■プログラム

〇9:30~9:35 開会あいさつ

〇9:35~11:00 一般報告

1.(9:35~10:05)一般報告[発表形式A](発表20分+質疑応答10分)
枯山水庭園における心象としての音風景に関する研究
報告者:土田義郎 坂場勇希 藤澤壮真(金沢工業大学)

2.(10:05~11:00) 一般報告[発表形式B](発表45分+質疑応答10分)
池の畔の遊歩音楽会:音のすむ森に捧ぐ!
報告者:鳥越けい子(青山学院大学)

〇11:10~11:40 ショートトークセッション

1.相模鉄道 緑園都市駅 電車到着サイン音「アンダンテ」の紹介
報告者:船場ひさお(岩手大学)

2.蓄音機のある風景
報告者:上野正章(京都市立芸術大学)

3.金沢へ
報告者:土田義郎(金沢工業大学)

4.葬送のサウンドスケープ~中国・寧波市近郊の殯儀館を例に~
報告者:木村直弘(岩手大学)

5.フィンランドにおけるサウンドスケーププロジェクト
報告者:箕浦 一哉(山梨県立大学)

〇11:40~12:30 全体討論
12:30 閉会

■発表要旨集(一般報告)

◇第1報告
枯山水庭園における心象としての音風景に関する研究
報告者:土田義郎 坂場勇希 藤澤壮真(金沢工業大学)
日本庭園には、池や鑓水を中心とした池泉回遊式庭園以外に、水を用いずに石、砂、植栽だけで形成する枯山水式庭園がある。水音は庭園の主たる音源になるものであるが、枯山水は水がないため音が少ない。しかし、音がなくともそこには心象としての音風景が形成されていると考えられる。そこで、視覚的な景物に着目し、どのような心理が作用しているかを被験者実験によって調査した。
対象としては石川県内の2庭園を選定し、実空間での評価を行った。また、実験室内でのVR画像、模型を用いた実験(いずれも現場の音は提示しない)を行った。被験者は一定の位置(縁側)から庭園を見てもらい、まずSD法によって全体的な印象を評価する。次に、どのようなイメージを思い浮かべるのかをたずね、それがどういうところから生じたのかを内省させて記録した。また、そのイメージ形成にSD法で用いた各尺度がどの程度関係していたかを評価した。同様の評価を2週間以上の間をおいてVR画像によって行い、さらに2週間以上の間をおいて模型によって評価した。  その結果、SD法の結果は一部で評価値に差があるものの、どちらの庭園でも実空間とVR画像、模型で同様の傾向が得られた。因子分析を行うと、庭園ごとの特徴が表れたが、「動的因子」は実空間がVR画像、模型より高い値となった。一方「自然因子」は実空間よりVR画像、模型の方が高かった。得られたイメージは、海、池、川などの水に関係するイメージ、山、森、砂漠など陸上に関係するイメージ、京都の庭園など対象以外の庭園のイメージ、その他となった。要素ごとに見ると周辺環境の音がないVR画像が「動的因子」に関わっている傾向が見られた。周辺環境の音が庭園への没入を妨げるため、周辺環境からの音が少ないと音響的な印象を受けるのではないかと考えられる。

◇第2報告
池の畔の遊歩音楽会:音のすむ森に捧ぐ!
鳥越けい子(青山学院大学)
音楽とは、特定の土地の見えない資源を発掘・実感・発信する行為であるという考え方から、報告者が企画・実施している遊歩音楽会、それが<池の畔の遊歩音楽会:音のすむ森に捧ぐ!>である。  このプロジェクト誕生の直接のきっかけは、報告者が地元のネットワークを通じて「まちと森をつなぐかたち-野外アート展:トロールの森2010」への参加依頼を受けたことだった。
「トロールの森」は毎年11月の20日間わたり、都立善福寺公園を会場に開催される。<池の畔の遊歩音楽会:音のすむ森に捧ぐ!>は、会期中の特定の1日、池の周囲を巡りながら行う音楽会。報告者はナヴィゲーターとして、池とその周囲の土地の歴史を語り、聴衆として集まった人たちと一緒に、水面の音や周囲の森に耳を澄ませる。と同時に、初回以来の歌づくりの協力者でもある歌手(辻康介さん)が「時空を超えた放浪の楽師」として、池の記憶を呼び覚ますための歌詞をさまざまなスタイルで詠じる。「ここに池があるのは何故? そこにいた(いる)のは何? 池を中心とした現在の公園はどのようにしてできたのか?」が、その一貫したテーマである。
報告者は、この遊歩音楽会を含む「善福寺サウンドスケープ・プロジェクト」として、年間を通じて「故郷の池とその周辺地域に刻まれた土地の記憶とまちの歴史」を発掘・確認する作業を展開している。その成果も反映し、2010年の初演以来、この遊歩音楽会の「コンテンツ・ストック」は回を重ねるごとに、充実・変化している。
今回発表するのは、昨年実施した第7回目<池の畔の遊歩音楽会2016:音のすむ森に捧ぐ!Vol.7>の記録映像の一部。その映像と解説を通じて、報告者がこのプロジェクトを「フィールドミュージアム構想」として、また「アートによるまちづくり」として位置付けていること等を示す。

■発表要旨集(ショートトークセッション)

◇第1報告
相模鉄道 緑園都市駅 電車到着サイン音「アンダンテ」の紹介
船場ひさお(岩手大学)
相模鉄道とフェリス女学院大学が共同プロジェクトとして実現した、新しいコンセプトによる電車到着サイン音について紹介する。ホームではなく、改札口付近で流すことにより駆け込み乗車を防止する。日常的に駅を利用する学生ならではの発想と鉄道会社の様々な技術を組み合わせ、音楽的にもとことんこだわって作り上げたサイン音である。単に音を作ったのではなく、駅の音環境としてデザインした。

◇第2報告
蓄音機のある風景
上野正章(京都市立芸術大学)
明治後期から昭和前期にかけて日本では蓄音機とレコードが広まりました。本発表は当時の絵葉書に記録された蓄音機を調査・分析することによって、黎明期の活用状況を明らかにし、過去の音環境を考える試みです。

◇第3報告
金沢へ
土田義郎(金沢工業大学)
研究室の保有するサウンドスケープに関わるものを2つ紹介いたします。一つは元練馬区の大野さんから譲り受けた資料一式。二つ目は各地の風鈴。大野資料はやつかほキャンパス内の研究室に保存してあります。風鈴は現在研究室にありますが、今年の7月以降に金沢市寺町に購入した小さな町家に展示することにいたします。資料の閲覧、風鈴の見学など機会があれば金沢にいらしてください。

◇第4報告
葬送のサウンドスケープ~中国・寧波市近郊の殯儀館を例に~
木村直弘(岩手大学)
中国浙江省寧波市近郊の殯儀館(火葬場)を例に、今や中国の都会では失われつつある葬送の音風景についてご紹介したいと思います。

◇第5報告
フィンランドにおけるサウンドスケーププロジェクト
箕浦 一哉(山梨県立大学)
フィンランドではこの10年にわたりサウンドスケープに関する興味深いプロジェクトが次々と実施されている。その最初のものが「日本の音風景100選」の取り組みに影響を受けた「One Hundred Finnish Soundscapes」(2004-2006)である。2014-2016年にはそのフォローアップとして「Transforming Finnish Soundscapes」(2014-2016)が実施されている。本報告ではその概要を紹介する。

2017年度 春季研究発表会 発表募集要項

日本サウンドスケープ協会2017年度春季研究発表会の発表募集要項をお知らせします。

■研究発表会概要

・日時:2017年5月21日(日)9:30-12:30
   (発表件数により時間変更の可能性があります)
・会場:岩手大学復興祈念銀河ホール(上田キャンパス理工学部内)
   (〒020-8551 岩手県盛岡市上田4丁目3番5号/交通・構内案内
・主催:日本サウンドスケープ協会
・資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
・発表申込期限:2017年4月9日(日)
・原稿提出期限:2017年5月7日(日)
・実行委員会:上野正章(京都市立芸術大学、実行委員長)、船場ひさお(岩手大学)、
木村直弘(岩手大学)、箕浦一哉(山梨県立大学)


■応募規定 (一般報告)

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。

【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。
発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答10分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。※応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

○研究発表会資料 応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。資料の書式は協会誌に準じ、分量は2ページから10ページ以内とします。必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。
原稿提出先:sgm@soundscape-j.org(2017年春季研究発表会実行委員会宛)

○発表申込
下記の申込フォームから,氏名・所属・連絡先,発表形式,発表タイトル,要旨(800字程度),キーワード(5つまで)を期限までにお知らせ下さい。発表形式Bの場合は,使用機材,発表希望時間もお知らせください。発表申込フォーム:https://goo.gl/forms/biTZQEnh9gInhtBu2


■応募規定(ショート・トーク・セッション)

今回の研究発表会では「ショート・トーク・セッション」を企画しています。正規の研究発表とは別に,さまざまな話題を気軽に発表していただくために設けるものです。まとまった研究成果だけでなく,進行中の研究の途中経過や今後の研究アイディアなど,サウンドスケープ研究に関することであれば何でもかまいません。

・1件5分間で発表していただきます。
・質疑応答時間は設けず,続けて発表をしていただきます。
・資料(講演論文)を提出していただく必要はありません
・プロジェクタは使用できます。
協会正会員、もしくは学生会員であればショート・トーク・セッションで発表する資格があります。研究発表との重複応募も可能です。どうぞふるってお申し込みください。

○発表申込
ショート・トーク・セッションでの発表を希望する方は,氏名・所属・連絡先,発表タイトル,要旨(200字程度)を申込フォームから期限までにお知らせください。発表申込フォーム:https://goo.gl/forms/biTZQEnh9gInhtBu2

なお,応募者多数の場合、応募内容をもとに実行委員会で発表者の選考を行う場合があります。

●お問い合わせ先
本研究発表会に関するお問い合わせは下記メールアドレスまでお願いします。
sgm@soundscape-j.org(2017年春季研究発表会実行委員会宛)

・発表募集要項はこちらからダウンロードできます。(PDF157KB)



2016年度 秋季研究発表会 のお知らせ

日本サウンドスケープ協会
2016年度 秋季研究発表会 プログラム


○開催概要

日時:2016年12月18日(日)9:25-12:45
(前日12月17日(土)17~19時に熊本城周辺サウンドウォークを実施します)
会場:熊本大学(熊本市黒髪南S7(インキュベーションラボラトリー))>キャンパスマップ
主催:日本サウンドスケープ協会
資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円

実行委員会:
上野正章(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター,実行委員長)、
川井敬二(熊本大学)、
箕浦一哉(山梨県立大学)


○プログラム

9:25~9:30 開会あいさつ
9:30~11:00 一般報告[発表形式A](発表20分+質疑応答10分)

1.(9:30~10:00)
音楽科における系統性を踏まえた音環境教育の意義と在り方
報告者:池田枝里奈(東京学芸大学)

2.(10:00~10:30)
インドネシア・バリ島のガムランの変遷 -ガムラン・プレゴンガンの音高-
報告者:塩川博義(日本大学)・梅田英春 (静岡文化芸術大学)・皆川厚一(神田外語大学)・イ・マデ・カルタワン (インドネシア国立芸術大学デンパサール校)

3.(10:30~11:00)
善福寺池サウンドスケープ・プロジェクト
報告者:鳥越けい子(青山学院大学)

11:00~11:10 休憩

11:10~12:45 一般報告[発表形式B]

4.(11:10~11:50;発表30分+質疑応答10分)
熊本地震における地元コミュニティFMの対応
報告者:兼古勝史(立教大学・武蔵大学・目白大学・共栄大学・放送大学)・長生修(㈱熊本シティエフエム)

5.(11:50~12:45;発表45分+質疑応答10分)
震災被災地のサウンドスケープ調査から何が得られるか
報告者:川崎義博(東京藝術大学)・箕浦一哉(山梨県立大学)

12:45 閉会


○発表要旨集

◇第1報告
音楽科における系統性を踏まえた音環境教育の意義と在り方
池田枝里奈(東京学芸大学)

「環境形成者」としての私たちが、自他にとって「良い音環境」を追求することは不可欠であると考える。しかしながら、音・音楽、音環境の受容の在り方は人によって多様であり、画一的な価値判断は難しい。こうした課題を解決し、社会がより良い音環境を実現していくために必要なのが「音環境教育」である。「音環境教育」とは、音環境への関心や理解を深め、より良い音環境を求め、生活を豊かにする態度や能力の育成を目指す教育活動のことである。現行の「学習指導要領・音楽」は、「音環境への関心や意識を高める」ことが目標とされている。本研究における「音環境教育」はその目標の先にある、音・音楽を「点検・評価する」ことや「改善・創造する」ことまでをも目標とする。そして学校教育の「音楽科」において音環境教育を行う意義は、「音や音楽の価値観を拡大すること」(東海林,2011)や、「生活や社会における音や音楽の働きについての関心や理解」(中教審,2015)を深めること、「よりよい音環境を求める態度」(中教審,2015)を身につけることにあると考える。一方で学校教育においては系統性を踏まえた指導を行うことが重要であり、音楽科における音環境教育もまた同様に系統性が求められる。そこで本研究では、音楽科の次期「学習指導要領」、「環境教育」、音環境教育の先駆的実践と研究を行った星野圭朗の著作(1993)の考え方、「サウンド・エデュケーションの課題集」(シェーファー)の4点から、系統性構築のための視点を整理し、音楽科における系統性を踏まえた音環境教育の在り方を提案する。

◇第2報告
インドネシア・バリ島のガムランの変遷 -ガムラン・プレゴンガンの音高-
塩川博義(日本大学)・梅田英春 (静岡文化芸術大学)・皆川厚一(神田外語大学)・イ・マデ・カルタワン (インドネシア国立芸術大学デンパサール校)

インドネシアのバリ島は、神々と芸能の島として知られている。バリ島の人々にとって、ガムラン音楽は生活の一部であり、日常の音風景には欠かせないものである。ゆえに、その音響的構造や変遷を知ることは、バリ島の人々の音に対する好みやその変化を知ることでもある。
 
本研究は、18世紀から21世紀までにおけるインドネシア・バリ島のガムランの変遷について、それら楽器の音響解析とバリにおけるガムラン演奏者あるいは所有者、楽器製作者および調律師へのインタビューを通して明らかにすることを最終目的としている。バリ島で一般的に使われているガムラン・ゴング・クビャールを中心に、日本とバリ島で、約90セットのガムランの測定解析を行ってきた。その結果、うなり周波数は5から10ヘルツの間で調律され、それらの音高と音程はバリ島における地域や時代によって異なることがわかってきた。また、20世紀後半においてバリ島で製作された多くのガムラン・ゴング・クビャールに影響を与えた教育機関が所有しているそれらを中心に、11セットのガムラン・ゴング・クビャールの基本周波数における音高を分析した。その結果、いずれも5音階の一番下音名1(ding)がC# あるいは Dで調律されていることを確認した。本報では、ガムラン・ゴング・クビャールと同じペロッグ(pelog)音階を持ち、ガムラン・ゴング・クビャールよりも古く、レゴンダンスあるいはバロンダンスの伴奏のために使われるガムラン・プレゴンガン8セットの鍵盤楽器における基本周波数の音高を分析し、比較検討している。8セット中3セットは、トロンポンがあるガムラン・スマルプグリンガンでもある。これらを分析した結果、8セットの音名1における音高は、一部を除き、いずれもC# からD#の間であることを明らかにした。

◇第3報告
善福寺池サウンドスケープ・プロジェクト
鳥越けい子(青山学院大学)

東京における貴重な水と緑の拠点であり、社会・文化的にも重要な意味をもつ武蔵野三大湧水池のひとつが善福寺池(東京都杉並区)である。奥多摩等の山地や丘陵からの水の流れがひとたび地下に潜り、武蔵野台地に降り注いだ雨と一緒になって、扇状地の端のところで地上に湧き出した水源で、周囲には旧石器-縄文時代以来、一貫して集落が形成されてきた。そこは、水の物理的な供給地としてだけではなく、雨乞い等のときに人々を救う「聖なる空間」として地域の暮らしを支えた歴史が織り込まれた「トポス」でもある。

私は約2年前から、都立善福寺公園の中心となっているこの池とその周辺地域をフィールドとしたサウンドスケープ研究に取り組んでいる。その目的には、1)当該地域におけるサウンドスケープの歴史と今を明らかにすること、2)それが依拠する自然史とそこに 形成されてきた地域社会との相互関係を明らかにすること、3)その成果を当該地域の都市・環境計画に生かす方法を探ることがある。  研究の現段階においては、善福寺池とその周辺地域における現状を、音圧レベルの計測等の定量的方法(24時間調査・等音圧地図の作成等)で把握した。また当該の土地の自然的条件とその変遷、歴史的・地域社会的文脈を地図や文献等から把握し、そのサウンドスケープの歴史的変遷を含めた全体的な特徴を考察しながら、当該地域の今後のサウンドスケープに関する課題や展望を検討しつつある。  

そこで明らかになった主な内容には「自然の湧水音はもはや確認できない/現在聞こえる水音は人工的につくられたものである」「音環境は池とその周辺地域の水と緑の循環を認識・評価するメディアとして有効である」「周辺地域の屋敷林は池の音環境に大きな役割を果たしている」「池の水と周囲の緑は地域住民の自発的な活動によって守られ、つくられてきたものである」といったことがある。  将来的には武蔵野三大湧水池全体にそのフィールドを展開したいと考えている本研究について、これまでの経緯、現時点での成果、今後の課題と展望について発表したい。

◇第4報告
熊本地震における地元コミュニティFMの対応
兼古勝史(立教大学・武蔵大学・目白大学・共栄大学・放送大学)・長生修(㈱熊本シティエフエム)

本年4月14日・16日の熊本地震において、地元熊本市内を主要な放送エリアとするコミュニティFM放送局「くまもとシティエフエム(FM791)」(JOZZ0AB-FM・熊本市中央区辛島町)では、震度7の本震直後には一時的に放送できない状況になったが、約40分後に放送を再開、「命を守るための放送」から「命を繋ぐ生活情報」「前向きに生きていくための情報」と災害からの時間や地域の実情に応じて放送内容をシフトさせつつ、17日間、全てのレギュラー番組とCMを停止して生放送を実施した。特に、4月18日から30日までの間、臨時災害エフエム局「くまもとさいがいエフエム」(JOYZ0O-FM)として災害対応に特化した情報提供を行ったが、その中で実施した、リクエストによる市内各小学校の「校歌」の放送が、避難所等で不安な避難生活をしている人々の心の支えとなったことがマスコミ等でも紹介され話題となったことは記憶に新しい。本発表では、震災発生直後からの熊本シティエフエムの対応・放送を振り返るとともに、地域の「校歌」のリクエスト放送について、それを実現にした同局のこれまでの「校区」に密着した番組作りや取り組み事例などをあわせて紹介し、災害時の地域における音声放送メディアの役割、「校歌」という地域の音文化資源の可能性について検証したい。

◇第5報告
震災被災地のサウンドスケープ調査から何が得られるか
川崎義博(東京藝術大学)・箕浦一哉(山梨県立大学)

日本サウンドスケープ協会震災プロジェクトでは,2011年の東日本大震災の発生以降継続的に被災地のサウンドスケープ調査を実施し,協会誌14巻(2013)でその一端の報告をした。また発表者は,1995年の阪神・淡路大震災後にもサウンドスケープ調査を実施した。本報告ではそれらの調査によって収集した録音,映像,その他の資料を提示する。そのことからサウンドスケープの観点から被災地の調査をすることの意義とそのための手法,調査結果の活用方法について議論する。


○サウンドウォーク(12月17日(土)に実施)
集合時間:17時
集合場所:城彩苑 総合観光案内所(熊本交通センターから徒歩4分)


2016年度 秋季研究発表会 開催概要および発表募集のお知らせ

日本サウンドスケープ協会
2016年度 秋季研究発表会 発表募集

■研究発表会概要

日時:2016年12月18日(日)9:30-12:30
 (前日12月17日(土)17~19時に熊本城周辺サウンドウォークを予定しています)
会場:熊本大学(熊本市黒髪南S7(インキュベーションラボラトリー)予定)
主催:日本サウンドスケープ協会
資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円

発表申込期限:2016年11月6日(日)
原稿提出期限:2016年12月4日(日)

実行委員会:
上野正章(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター,実行委員長)、
川 井敬二(熊本大学)、
箕浦一哉(山梨県立大学)


■応募規定

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、
下記A、Bの2つの形 式のうちどちらかを選択してください。

・発表希望者は下記を明記して申し込んでください。
 1.発表タイトル
 2.要旨(800字程度)
 3.発表に関連するキーワード5つ
 4.氏名、所属、連絡先
 5.発表形式(A or B)
 *以下は発表形式Bについてのみ
 6.使用機材(会場備付のプロジェクタ、スピーカ以外のものを持ち込む場合)
 7.発表希望時間

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。 資料の書式は協会誌に準じ、分量は2ページから10ページ以内とします。必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。

・発表形式について

【発表形式A…Oral presentation】いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。 発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。

【発表形式B…Demonstration】録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答15分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。

※応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。


◆ショート・トーク・セッション

今回の研究発表会では初めての試みとして「ショート・トーク・セッション」を開催いたします。正規の研究発表とは別に,さまざまな話題を気軽に発表していただくために設けるものです。まとまった研究成果だけでなく,進行中の研究の途中経過や今後の研究アイディアなど,サウンドスケープ研究に関することであれば何でもかまいません。

 ・1件5分間で発表していただきます。
 ・質疑応答時間は設けず,続けて発表をしていただきます。
 ・資料(講演論文)を提出していただく必要はありません。
 ・プロジェクタは使用できます。

協会正会員、もしくは学生会員であればショート・トーク・セッションで発表する資格があります。研究発表との重複応募も可能です。どうぞふるってお申し込みください。 ショート・トーク・セッションに参加ご希望の方は11月6日までに以下の内容を明記して メールにてお申込みください。
1.発表タイトル 2.要旨(200字程度) 3.氏名、所属、連絡先

※応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく場合があります。

●お問い合わせ、申し込み、原稿提出先:sgm@soundscape-j.org
 受付後、応募者には確認メールを送信します。
 受付確認メールの受信を以て受付完了とさせていただきます。

2016年度 春季研究発表会 のお知らせ

日本サウンドスケープ協会
2016年度 春季研究発表会

■開催概要 日時:2016年5月29日(日)10:00~13:00
会場:青山学院アスタジオ 多目的ホール(東京都渋谷区神宮前5-47-11)
主催:日本サウンドスケープ協会
共催:青山学院大学教育人間科学部 吉仲研究室
    青山学院大学総合文化政策学部 鳥越研究室
資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
実行委員会:箕浦一哉(山梨県立大学,実行委員長),上野正章(大阪大学),吉仲淳(青山学院大学)

○プログラム
10:00~10:05 開会あいさつ
10:05~11:05 一般報告[発表形式A](発表20分+質疑応答10分)
 1.(10:05~10:35)
  サウンドマップを利用した文学教育と環境教育の架橋
  報告者:小島望(川口短期大学)・大國眞希(福岡女学院大学)
 2.(10:35~11:05)
  イメージ構築における音の象徴作用について:物語再生装置としての音の象徴性
  報告者:佐々木樹(日本大学大学院芸術学研究科)
11:05~11:15 休憩
11:15~12:45 一般報告[発表形式B]
 3.(11:15~11:55;発表30分+質疑応答10分)
  自然界の音や現象から音楽へとつなぐ音認識に関する研究
  報告者:鈴木典子(カワイ音楽教室・千葉県立中央博物館)・大庭照代(千葉県立中央博物館)
 4.(11:55~12:45;発表40分+質疑応答10分)
  ベトナム中部高原のバナ族が聴く音風景
  報告者:柳沢英輔(同志社大学文化情報学部)
12:45~13:00 総合討論
13:00 閉会

※発表要旨はPDFファイルをご覧ください。

2016年度 春季研究発表会 開催概要および発表募集のお知らせ

日本サウンドスケープ協会
2016年度 春季研究発表会 発表募集

■研究発表会概要
日時:2016年5月29日(日)10:00-13:00
会場:青山学院アスタジオ・地下ホール
主催:日本サウンドスケープ協会
資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
発表申込期限:2016年4月18日(月)
原稿提出期限:2016年5月13日(金)
実行委員会:箕浦一哉(山梨県立大学,実行委員長)、上野正章(大阪大学)、吉仲淳(青山学院大学)

■応募規定

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、
下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。
・発表希望者は下記を明記して申し込んでください。
 1.発表タイトル
 2.要旨(800字程度)
 3.発表に関連するキーワード5つ
 4.氏名、所属、連絡先
 5.発表形式(A or B)
 *以下は発表形式Bについてのみ
 6.使用機材(会場備付のプロジェクタ、スピーカ以外のものを持ち込む場合)
 7.発表希望時間

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。
資料の書式は協会誌に準じ、必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。

・発表形式について
【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。
発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。
資料の分量は4ページから10ページ以内とします。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。
発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答15分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。
資料の分量は2ページから8ページ以内とします。

※発表形式A・Bともに、応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

●お問い合わせ、申し込み、原稿提出先:sgm@soundscape-j.org
受付後、応募者には確認メールを送信します。
受付確認メールの受信を以て受付完了とさせていただきます。

※[2016/04/01]開始時刻を9:30より10:00に更新しました。
※[2016/04/22]熊本地震を受けて、実行委員を変更し、開催会場を熊本大学から青山学院に変更しました。

2015年度秋季研究発表会のお知らせ

○開催概要
日時:2015年12月12日(土)13:30~17:00
会場:関西大学千里山キャンパス第3学舎 A202教室
主催:日本サウンドスケープ協会
資料代:会員:無料,非会員:500円
実行委員会:大門信也,上野正章,箕浦一哉

○参加方法
参加方法:12月7日(月)までにメールでお申し込みください。
お申し込み・お問い合わせ先:実行委員会 sgm@soundscape-j.org

○会場案内
会場:関西大学千里山キャンパス第3学舎 A202教室
   ※交通アクセスはこちらをご参照ください。
   ※会場の第3学舎はこちらよりのキャンパスマップをご参照ください。
阪急千里線関大前駅南口改札を出て、南門からエスカレーター2基を乗り継ぎ、前方に見える「関西大学」の文字が入った高層の建物が第3学舎の3号館です。3号館の入り口から第3学舎に入り、建物の中を通って2号館を抜け、1号館に入ると入り口と同じ階に会場のA202教室があります(学舎内の各館は内部でつながっています)。

○プログラム
13:30~13:35 開会あいさつ
13:35~14:35 第1部・一般報告(各20分発表+10分質疑応答)
・第1報告
 聞こえないけれど感じる音 -低周波音問題研究会による聞き取り調査から-
 報告者:佐藤宏
・第2報告
 保育園における"音に耳を傾けさせる音あそびプログラム"の提案と実践
 報告者:船場ひさお・大和田千聖
14:35~14:50 休憩
14:50~17:00 第2部・企画セッション「サウンドスケープ研究の推進に向けて」
・第1報告
 文化資源としてのサウンドスケープ論
 報告者:鳥越けい子・小西潤子・上野正章
・第2報告
 環境政策としてのサウンドスケープ論
 報告者:大門信也
・第3報告
 サウンドスケープ協会が主導する共同研究の構想
 報告者:箕浦一哉
・全体討論
17:00 閉会


○発表要旨

◇第1報告

聞こえないけれど感じる音 -低周波音問題研究会による聞き取り調査から-
報告者:佐藤宏
本報告では、筆者が2010年から2014年まで技術担当として参画した、低周波音問題研究会における、被害者への聞き取り調査の中から主に、低周波騒音特有と思われる被害の訴えを紹介する。

低周波騒音問題については、原因と疑われる空気振動の音圧レベルが、自由空間における最小可聴域を大幅に下回るため、被害は実在しない(他の原因による健康被害を、低周波騒音によるものだと誤解している)という意見も根強い。しかし被害者の多くが、原因と疑われる空気振動を、「音」としては知覚していないこと、更に被害の訴えのうち少なくとも一部は、壁で囲まれた空間内で発生し、かつ、解放された空間では被害が発生していないことから、この問題(健康被害の有無)について、自由空間における最小可聴域を根拠に論ずることが、必ずしも適切とは言い難い可能性が示唆された。

◇第2報告

保育園における"音に耳を傾けさせる音あそびプログラム"の提案と実践
報告者:船場ひさお(フェリス女学院大)・大和田千聖(ベネッセコーポレーション)
保育園の音環境に関する論議が高まりを見せている。脳の発達、言葉の習得をはじめ、様々な感受性を育むのに大変重要な時期にある乳幼児が、長時間を過ごす保育園の音環境を整えることはとても大切なことであり、このために日本においても何らかのガイドラインを策定する必要があることが、少しずつ理解されつつある。

一方、保育園や幼稚園ではリズムあそびやリトミックといった音楽活動が必ず行われている。横浜市内の保育園5園を対象に音楽活動の実際を調査したところ、その進め方や手法は様々であり、身体を鍛えることに主眼を置く場合と音楽に合わせることを目指す場合、歌を歌うことを主とする場合などが見られた。また問題点として、音楽活動を行う部屋の音環境が適切でない場合が多いこと、ピアノを使うことが非常に多い割に、それによって生じる問題も多いことなどが見出された。

これらを踏まえ、ピアノを用いず、音に耳を傾けさせる音あそびプログラムを構築し実践したところ、子どもからも保育士からも好評を得た。  今回の発表では、保育園でのプログラム実践風景のビデオを紹介しながら、"音に耳を傾けさせる音あそび"の幼児への展開の可能性について、会場の皆様と共に考察したい。


○企画セッション「サウンドスケープ研究の推進に向けて」要旨
日本においてはこれまでにサウンドスケープに関する多くの研究・実践が蓄積されてきた。しかしながら学術領域としてのサウンドスケープ研究を深めるための総合的・体系的な議論はこれまで十分に行われてきたとは言えない。そこで,日本サウンドスケープ協会学術事業推進委員会では,継続的な議論を行うための共同研究を企画している。本セッションはその共同研究のスタートアップのための議論を行うものである。第1報告では共同研究の構想を報告し,第2・第3報告では「環境政策」「文化資源」の2つの観点からサウンドスケープ研究の発展の方向性を示す。その後,来場者を交えて今後の研究推進について検討したい。



2015年度 秋季研究発表会 開催概要および発表募集のお知らせ

日本サウンドスケープ協会
2015年度 秋季研究発表会 発表募集

■研究発表会概要
日時:2015年12月12日(土)13:30~17:00(予定,発表件数により決定)
会場:関西大学社会学部(大阪府吹田市山手町3丁目3番35号)
主催:日本サウンドスケープ協会
資料代:会員:無料
    非会員:学生500円,一般1000円
発表申込期限:2015年10月19日(月)
原稿提出期限:2015年11月30日(月)
実行委員会:大門信也,上野正章,箕浦一哉

■応募規定
○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1件までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。
・発表希望者は下記を明記して申し込んでください。
 1.発表タイトル
 2.要旨(800字程度)
 3.発表に関連するキーワード5つ
 4.氏名、所属、連絡先
 5.発表形式(A or B)
 *以下は発表形式Bについてのみ
 6.使用機材(会場備付のプロジェクタ、スピーカ以外のものを持ち込む場合)
 7.発表希望時間

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。 資料の書式は協会誌に準じ、必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。

・発表形式について
【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。
発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。
資料の分量は4ページから10ページ以内とします。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。
発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答15分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。
資料の分量は2ページから8ページ以内とします。

※発表形式A・Bともに、応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

●お問い合わせ、申し込み、原稿提出先:sgm@soundscape-j.org
受付後、応募者には確認メールを送信します。受付確認メールの受信を以て受付完了とさせていただきます。



2015年度春季研究発表会プログラムのお知らせ

日本サウンドスケープ協会2015年度春季研究発表会プログラム

○開催概要
日時:2015年5月24日(日)9:30~13:00
会場:青山学院アスタジオ 多目的ホール(東京都渋谷区神宮前5-47-11)
    アクセス方法はこちら
主催:日本サウンドスケープ協会
共催:青山学院大学教育人間科学部 吉仲研究室
   青山学院大学総合文化政策学部 鳥越研究室
資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
実行委員会:箕浦一哉(山梨県立大学,実行委員長)、吉仲淳(青山学院大学)他

○プログラム
09:30~09:35 開会あいさつ
09:35~10:35 一般報告[発表形式A](各20分発表+10分質疑応答)
 人々のサウンドスケープの認識に関するアンケート調査 ―地域・世代間比較
報告者:川井敬二(熊本大学大学院 自然科学研究科)
 地域における音風景事業への取り組みに関する研究(1)
 ―18の事例にみる音風景事業の特徴―
報告者:梶間奈保(島根県立大学 短期大学部)
10:35~11:30 一般報告[発表形式B](45分発表+10分質疑応答)
 地域の風景を創る 風鈴づくりワークショップの展開
報告者:土田義郎(金沢工業大学 環境・建築学部)
11:30~11:40 休憩
11:40~12:20 企画報告
青山学院大学における「サウンドスケープ」関連プロジェクト
 ―二つの研究室の活動から―
報告者:吉仲淳(教育人間科学部)、鳥越けい子(総合文化政策学部)
12:20~13:00 ラウンドテーブル:サウンドスケープ研究の活性化をめぐって
13:00 閉会

○発表要旨

◇第1報告
人々のサウンドスケープの認識に関するアンケート調査 ―地域・世代間比較
報告者:川井敬二(熊本大学 大学院自然科学研究科)
本研究の目的は、人々が日常生活の中で音事象をどの程度聞いているのかを知ることである。たとえば携帯オーディオ機器が普及している中で、その中心的な使用者である若い世代は周囲の音を聞いているのであろうか。あるいは、道路交通など人工的な音の基調音への影響が大きい市街地と、その影響が比較的小さいと思われる田園地域という、居住地域によって人々の音事象の聴取に違いが見られるであろうか。これを知るために、熊本市の市街地に居住する大学生と高齢者、および田園地域といえる南阿蘇村居住の高齢者を対象に、サウンドスケープの認識に関するアンケート調査を実施した。
質問項目は自宅周辺の静けさ、歩くときの環境音の聴取の度合い、環境音(14種類を列挙)の聴取頻度、音から何を感じるか、といった音環境に関する質問と、地域の利便性や満足度などから成る。回答サンプル数は計392である。
結果について、環境音の聴取頻度では、同じ熊本市街地に在住する大学生と高齢者を比較すると、高齢者の聴取頻度はすべての音について学生と同等か上回っていた。熊本市と南阿蘇の高齢者は多くの環境音でおおむね同等の聴取頻度であったが、せせらぎと鉄道の2種類の音は南阿蘇の方が高頻度であった。南阿蘇村は豊富な湧水で知られ、また谷を走る南阿蘇鉄道は一つの標識音といえるが、聴取頻度の回答はこれを反映したものといえる。また、音から感じるものについて「よく感じる」の回答が半数を超えたのは、大学生は天候と車両の接近、高齢者は季節感、天候、朝夕など一日の変化、地域らしさ(南阿蘇のみ)であった。とりわけ、季節感と一日の変化は南阿蘇の回答が高い比率であり、田園の音風景と1時間に1本程度の南阿蘇鉄道がそうした評価につながっているものと思われた。全体として、サウンドスケープの認識において、世代間で大きな違いが見られたほか、居住地の音環境的な特徴が認識の違いをもたらしていることが確認された。

◇第2報告
地域における音風景事業への取り組みに関する研究(1)
―18の事例にみる音風景事業の特徴―
報告者:梶間奈保(島根県立大学短期大学部)
日本にける音風景に関する事業の取り組みとして,「名古屋音名所」(1989年)「ねりまを聴く、し・ず・け・さ10選」(1990年)「残したい日本の音風景」(1996年)などが,研究者によって取り上げられ,音環境や音の文化などの視点をもって示唆されてきた。また,「残したい日本の音風景」を契機に,県や地域団体が中心となり音環境に意識を向け,音を通した地域の魅力を発信する事業が次々と行われた。これらの多くの音風景事業は,公募された音風景の選定やCDやマップの作成が行われているが,その後,選定された音風景が地域や地域住民とどのような関わりを持ち地域の音風景として存在しているのか不明な点もある。併せて,各地域の音風景事業を整理し俯瞰的に捉えることで,地域における音風景事業の課題やあり方について考察することができるのではないだろうか。
そこで,本研究では,1989年に実施された「名古屋音名所」から2014年「ふくいふるさとの音風景」までの25年間に,県や地域団体が中心となって取り組んだ音風景事業18事例を取り上げ,選定された音風景の傾向や事業の特徴などについて整理することとした。その結果,選定された音風景の分類方法に各地域の特徴が見られたことと,音風景事業の取り組みのプロセスに共通点が見られた。音風景の分類方法については,地域分類型,音感受分類型,地域シンボル型,音種別型,混合型に5分類され,これらの分類方法と各音風景事業のねらいとの関連性は高い。一方で,多くの音風景事業が「"いい音""残したい音"の公募⇒選定⇒録音・資料化・映像化⇒全国に発信」といったある一定のプロセスをたどって音環境や地域の音について見直す共通点も見られたが,この共通性は音風景事業の課題点としても考えられる。以上のことを踏まえ,本発表では地域における音風景事業の整理の経過報告について述べる。

◇第3報告
地域の風景を創る 風鈴づくりワークショップの展開
報告者:土田義郎(金沢工業大学 環境・建築学部)
風鈴は、日本人にとってなじみ深い音具である。鋳鉄でできた南部風鈴、吹きガラスでできた江戸風鈴が良く知られているが、銅の合金の小田原風鈴や鍛鉄の明珍火箸、各地の民芸品としての竹の風鈴のようなものもある。インドネシア・バリの竹の風鈴は時に商業施設のドアチャイムの代用として用いられていたりする。陶芸家による焼き物の風鈴もみられるようになってきている。
しかし最近では、屋外に吊るした風鈴がうるさいという苦情が出ることもあって、買うこともためらわれるような状況がある。文化として維持してゆくためには、夜間や風の強い日は屋内に入れるといったような、設置マナーを浸透させることも一つの手立てである。また、音のあまり大きくないものを作るということも考えられる。ここでは、まず各種の風鈴の音の大きさや周波数特性を比較し、その特徴について把握する。
さらに、当研究室で考案した「かなざわ風鈴(2013年)」、「橋立風鈴(2014年)」を紹介し、その特徴について述べる。これらの風鈴は単に考案しただけではなく、地域の住民などとともに作成のワークショップを実施している。風鈴に土地の名前が含まれているのは、地域の音風景を醸し出す一つの要素となってほしいという願いを込めている。
当日は実際にかなざわ風鈴を作る作業を行いながら、その音に耳を傾けるという実際のワークショップも行ってみたい。

◇企画報告
青山学院大学における「サウンドスケープ」関連プロジェクト
―二つの研究室の活動から―
報告者:吉仲淳(教育人間科学部)、鳥越けい子(総合文化政策学部)
サウンドスケープ概念をもとに展開される活動には実に多様なものがある。大学における教育研究活動において、その実態はどのようなものであろうか? 本報告は、青山学院大学の異なる学部における二つの研究室を事例として、その多様性、関連性、可能性、課題等を考察する。


2015年度春季研究発表会 開催概要および発表募集のお知らせ

下記の通り春季研究発表会を開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。

■研究発表会概要
日時:2015年5月24日(日)9:30-13:00…時間については予定
会場:青山学院アスタジオ 多目的ホール(東京都渋谷区神宮前5-47-11)
    アクセス方法はこちら
主催:日本サウンドスケープ協会
共催:青山学院大学教育人間科学部 吉仲研究室
   青山学院大学総合文化政策学部 鳥越研究室
資料代:会員:無料,学生:500円,一般:1000円
発表申込期限:2015年4月20日(月)
原稿提出期限:2015年5月7日(木)
実行委員会:箕浦一哉(山梨県立大学,実行委員長)、吉仲淳(青山学院大学)他


■応募規定

○発表資格
発表(連名)者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であれば発表する資格があります。連名を除いて1人が発表できるのは1編までとします。発表に際して登録料などはありません。

○内容及び形式
日本サウンドスケープ協会における発表としての適切性を考慮の上、下記A、Bの2つの形式のうちどちらかを選択してください。
・発表希望者は下記を明記して申し込んでください。
 1.発表タイトル
 2.要旨(800字程度)
 3.発表に関連するキーワード5つ
 4.氏名、所属、連絡先
 5.発表形式(A or B)
 *以下は発表形式Bについてのみ
 6.使用機材(会場備付のプロジェクタ、スピーカ以外のものを持ち込む場合)
 7.発表希望時間

○研究発表会資料
応募後発表の確定後、所定の期限までに発表会当日に配付する資料用原稿の提出をお願いします。 資料の書式は協会誌に準じ、必ず本文の前に和文要旨を付してください。資料中の和文要旨は協会誌に転載します。


・発表形式について

【発表形式A…Oral presentation】
いわゆる口頭発表。プロジェクタ、スピーカは使用できます。
発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。
資料の分量は4ページから10ページ以内とします。

【発表形式B…Demonstration】
録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。これらは「作品化」されていないものでも構いません。単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく、学術的な考察・研究成果を発表の中に含むように、お願いいたします。
発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答15分。録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可能です。
資料の分量は2ページから8ページ以内とします。

※発表形式A・Bともに、応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

●お問い合わせ・申し込み・原稿提出先:sgm☆soundscape-j.org
 (☆を@に変えてください)受付後、応募者には確認メールを送信します。受付確認メールの受信を以て受付完了とさせていただきます。


2014年度秋季研究発表会 プログラムのお知らせ

下記のように2014年度秋季研究発表会を開催いたします。

 日時 2014年12月6日(土)13:00-17:00(予定)
 会場 金沢工業大学イノベーションホール(扇が丘キャンパス12号館4階)
 実行委員会 委員長:土田義郎、委員:上野正章、森原崇

本年度秋季研究発表会のプログラムを公開いたします。
プログラムのいずれかに参加をご希望の方は、実行委員会あてにお申し込みください。
詳細は下記をご参照ください。【12/2改訂しました】

プログラム・要旨(PDF/385KB)

2014年度春季研究発表会論文集・プログラム

2014年度春季研究発表会のプログラム及び論文集が完成しましたのでここに公開します。下記よりダウンロードできます。

■研究発表会概要
・日時:2014年6月1日(日)9:25-13:30
・会場:東京大学農学部2号館化1教室 アクセス方法はこちら

  2014年度 春季研究発表会 論文集・プログラム(PDF/5.9MB)
  2014年度 春季研究発表会 概要集  (PDF/713KB)

2014年度春季研究発表会 開催概要および発表募集のお知らせ

下記の通り、研究発表会を開催いたします。 総会・シンポジウムの翌日となります。

発表ご希望の方は、 office@soundscape-j.org までメールにてお送りください。その際、AもしくはBの発表形式、及び応募規定に示す事項をご明記ください。皆さまふるってご応募くださいますよう、お願い致します。 

■研究発表会概要

・日時:2014年6月1日(日)9:30-13:30
・会場:東京大学農学部2号館化1教室
・発表申込締切:2014年5月6日
・原稿提出締め切り:2014年5月25日

■応募規定

【発表形式A】
・サウンドスケープに関する研究発表であること
・発表時間は発表(20分)と質疑応答(10分程度)を併せて30分。
・連名を含む発表者の少なくとも1人が協会正会員、もしくは学生会員であること。
・発表希望者は発表タイトルと要旨(800字以上1000字以内程度)及び、
  1. 氏名、2.連絡先、3.所属、4.発表に関連するキーワード5つ、5.使用機材 を記載して申し込むこと。
・応募後発表が確定したら、5月25日までに研究発表会当日配布資料(論文集)用の原稿の提出をお願いします。
 分量は5ページから10ページ以内(論文の書式は機関誌に準じる)とします。

【発表形式B】
・録音・映像・実演の視聴を中心とした研究発表であること。
・日本サウンドスケープ協会としてふさわしい内容であること。
・録音・映像・実演は「作品化」されていないものでもよい。
・単なる「作品紹介」や「録音・映像・実演紹介」ではなく学術的な考察・研究成果が発表の中に含まれていること。
・各発表につき、日本サウンドスケープ協会会員を1人以上含むこと。
・発表時間は最大で45分(うち映像・録音・実演等の再生・視聴等は最大で30分以内)+質疑応答15分。
・録音・映像の長さによっては、発表形式Aより短い時間での発表も可。
・発表希望者は発表タイトルと発表の学術的意義に関する説明を含む要旨(800字以上1000字以内程度)及び、 1. 氏名、2. 連絡先、3. 所属、4. 発表に関連するキーワード5つ、5. 発表希望時間(尺)、6. 使用機材 を記載して申し込むこと。
・応募後発表が確定したら、同じく5月25日までに研究発表会当日配布資料(論文集)用の原稿の提出をお願いします。
 分量は2ページから8ページ以内(論文の書式は機関誌に準じる)とします。

※発表形式A・Bともに、応募者多数の場合、応募内容をもとに、実行委員会で発表者の選考を行わせていただく、あるいは、発表時間の短縮をお願いする場合があります。

●お問い合わせ先:事務局
●提出先:office@soundscape-j.org
●受付後、応募者に向けて受付確認メールを送信します。
 受付確認メールの受信を以て受付完了とさせていただきます。


2013年度秋季研究発表会 論文集

千葉県立中央博物館で開催される、日本サウンドスケープ協会2013年度秋季研究発表会の論文集が完成しましたので、研究発表会のプログラムは下記をダウンロードしてご利用ください。

   2013年度 秋季研究発表会 論文集 (PDF/4.3MB)
   2013年度 秋季研究発表会 プログラム(PDF/475KB)

今回より、研究発表会の論文集は、原則としてダウンロード配布となります。会場での販売はありませんので、秋季研究発表会に参加予定の方は、事前に論文集をダウロードしてくださるよう、ご協力をお願いいたします。会場内でのインターネット通信(3G携帯電話、LTEサービスなど)は保証できません。 研究発表会のプログラムもダウンロードしてご利用ください。

翌日(11/17)は同じ会場で、創立20周年記念シンポジウム(入場無料)が開催されますので、お時間のある方は、是非ご参加ください。


2012年度秋季研究発表会のお知らせ

秋季研究発表会の開催要項が決まりました。

日時: 2012年12月22日(土) 10:00~20:45(昼食、会場移動の時間を含む)

会場:
【第1会場】エリスマン邸・地下ホール[9:30 開場/ 10:00~15:15]
 横浜市中区元町1-77-4 元町公園内
  ●JR「石川町」元町口より徒歩15 分
  ●みなとみらい線「元町中華街」元町口の6番出口「アメリカ山公園口」より徒歩5 分
【第2会場】横浜市開港記念会館・9号室[17:45~20:45]
  横浜市中区本町1丁目6番地
  ●JR「関内駅」南口より徒歩10 分 
●市営地下鉄線「関内駅」1 番出口より徒歩10 分
  ●みなとみらい線「日本大通り駅」1 番出口より徒歩1 分

*入場無料(ただし論文集は有償配布の場合あり)




 

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○ 総会・シンポジウム
● 研究発表会
○ 例会
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○ 震災プロジェクト
○ 20周年展
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